企業のブランド形成に重要な役割を果たす、インターナルコミュニケーション。現状の自社の課題を抽出し、いかにゴール設定していくかがカギとなる。電通パブリックリレーションズの北見幸一氏、大川陽子氏が企業へのヒアリング調査などの結果をもとに解説する。
能動的な態度変容を促すには
度重なる企業不祥事、頻発するM&A、多様な労働環境、SNSの普及をはじめ複雑化する情報流通など、外部環境の急激な変化に合わせて大きな変革期を迎えている企業が多数存在する。このような時期に、組織一丸となって事業活動に取り組むべく、積極的にインターナル・コミュニケーションを図る機運が一層高まっている。
インターナル・コミュニケーションは、企業(経営陣)の意思を社内の事業関係者に伝播するというためだけの役割ではなく、企業としての目標達成のために社員をはじめ事業に関わるすべての関係者の意識を高め、能動的な態度変容を促すことが求められる。それは組織の体質・風土や知識の再編成とも結びつくものであり、企業らしさを創造すること、ブランド創造を図るための重要なプロセスということができる。企業の中核は社員であり、社員の意識・働き方が、企業ブランドを形づくっているといってよい。中核となる社員のブランド価値創造が確立することによって、ブランドに関わる他の無形資産(例えば組織資産、顧客資産など)の価値を高める相乗効果を持っている。
外部評価が強くする企業ブランド
企業ブランドを通じて …
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