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上辺だけの広報・PRは通用しない、「関係の質」が企業ブランドを高める

リンクイベントプロデュース

インナーの活性化策が改めて注目される中、広報はいかに変化していくのか。イベントを通じた社内外へのコミュニケーションを提案する、リンクイベントプロデュースの一色顕社長が語る。

リンクイベントプロデュース 代表取締役社長 一色 顕氏(いっしき・あきら)
ソニーを経て、2006年リンクアンドモチベーション入社。2011年7月より現職。イベントを通じた企業のインナー・アウターブランディング、人の心を動かす“場”創りを支援する。

2015年は組織を強くする
インナーコミュニケーション元年

2014年の1年間で、企業経営におけるインナーコミュニケーションはますます重視されるようになってきました。戦略や商品・サービスの差別化が難しい時代だからこそ、経営方針の理解浸透度や行動の徹底度合いが企業間競争を左右します。また、就・転職活動や消費者が商品を選択する場面で、企業理念や組織風土を重視する傾向が強まってきました。組織の強さや会社の評判はインナーコミュニケーションから生まれるということに気付き始めたのではないかと思います。

同時に、ネット上の口コミが影響力を持ち、社内の取り組みやコミュニケーションを社外に発信することの難易度が下がりました。『広報会議』でも特集が組まれていますが、社内の一体感ある取り組みを対外的なPRや広報に活かす事例が多く見られます。

ただし、その企画内容が魅力的であっても、社内の人間関係や組織風土に問題を抱えている場合、上辺だけの対外向け広報活動への注力はむしろ逆効果です。社外の期待に対して、満足度が伴わない場合のレピュテーションダメージも大きくなるでしょう。当社も2015年は企業・組織の競争力を高める、インナーコミュニケーション活動の支援に注力していきます。

「関係の質」を高めることが
組織の成果につながる

マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱する本モデルを例に、一色氏は「関係の質は見落とされがち」と指摘する。「関係の質」を高めるには「感情」を共有できる体感・体験・対話の場が有効だと説いている。

組織の問題は「個」ではなく「間」に生じます。社内連絡・情報共有の不足といった問題はその典型例です。個のミスで生じた問題でも、関係性が良い組織であれば、その後のフォローで好転するケースもあります。逆に関係性の良くない組織の場合、責任の押し付け合いに終始してしまいます。

経営と現場の良好な関係は、経営方針・理念の浸透や徹底、ボトムアップの情報流通につながります。社員間の良好な関係性は連携・協働を促し、イノベーションにも結実します。逆に対立や不当な主従関係は思考・行動の質を下げ、好ましくない結果や「このメンバーではダメだ」という関係の質の悪化をもたらします。「関係の質」は成果とリンクし、組織を成功に導くサイクルの起点となるのです(図)。

具体的な施策としては、SNSなどのツールでコミュニケーションの量を増やす選択肢もありますが、私たちが提案するのはリアルなイベントです。

例えば、企業における年初のキックオフでの発信は、経営とメンバーの関係の質を高め、メンバーの思考の質を変える絶好の機会です。入社式やマネジャー昇格時の研修なども、仕立て次第で社員同士の関係や個々のマインドを変える機会になります。社員総会や表彰式なども単なる打ち上げではなくナレッジ共有の場とすることで、「関係の質」向上につながるでしょう。

体感・体験・対話を生む
リアルな「場」のプロデュース

人は感情で動く生き物であり、人と人の「関係の質」を変えるには感情にアプローチすることが欠かせません。特に組織内では、非日常の空間で新しい関係をつくる時間が必要です。当社が、イベントによるインナーコミュニケーションが有効であると主張する理由もここにあります。

社内を活性化し、関係の質を高めるイベントの選択肢は様々ですが、効果を高めるキーワードは「体感・(共通)体験・対話」の3つです。

まず、その場が非日常の空間であると体感できること。次に、集った人たちの間で共通の体験があること。最後に、フラットな関係で対話できるリアルなテーマがあることです。私たちは2015年、この3つが揃ったイベントを提供するフィールドコーディネート事業を展開していきます。

荒れた耕作放棄地を題材に、開墾作業にチームで取り組み、社会的課題に対する解決策を考える。離島での生活や島民との対話を通じて、過疎化や持続可能社会について論じる機会を持つ。日本文化の体験を通じて、日本人の価値観や強みの源泉を改めて感じ、自分たちに取り入れる。アウトドアアクティビティやスポーツ競技を通じチームビルディングを図る。これらの体感・体験を通じて、組織の中に新しいコミュニケーションを起こすことは、閉塞感の強い会社、職場に有効です。

2014年は企業内もしくは複数社が集まった運動会に参加した会社も多かったようです。私たちはこの運動会に代わりフラッグフットボール(FF)というスポーツを提案しており、複数社合同のイベントを企画しています。FFの特徴は、対話を生む競技特性。体力や運動経験に左右されず老若男女誰もが参加できる点が運動会とは大きく異なります。非日常での共通の体験が、関係の質を高めると考えています。

企業の「周年」という節目が
インナー改革の絶好の機会に

「関係の質」の向上は、1度のイベントで実現できるわけではありません。また、広報業務の中でもインナー向けの活動は緊急性が低く捉えられがちという問題もあります。そこで有効なのが5年・10年の単位で訪れる「周年」の節目を活用すること。

企業が成長する過程で、組織には「規模の壁」が生まれます。また、月日が経てば社員構成が若手からベテランまで広がる「年次の壁」が出てきます。この2つの壁がコミュニケーションのズレを生み、問題の発生源となります。また、10周年であれば「事業の多角化」、25周年では「事業継承」、50周年では「創業理念への回帰」などといったように、時期によって生じやすい課題があります。

当社では、これまでの周年事業の事例研究や組織コミュニケーションの専門チームによる周年事業コンサルティング室を立ち上げました。2015年からは、周年を機会としたインナーコミュニケーション改革、組織変革の支援にも力を入れていきます。(談)

    お問い合せ

    株式会社リンクイベントプロデュース http://www.link-ep.co.jp/
    〒104-0061 東京都中央区銀座3-7-3 銀座オーミビル
    TEL.03-3538-4020

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