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リスクと広報

度重なる事故会見に誠意はあったのか 新日鉄住金爆発事故

新日鉄住金連続爆発事故

あの不祥事は、なぜあれほど世間から批判されたのか─?顧客情報漏えいからフードテロ、取引先・子会社の不祥事まで、2014年の危機管理広報の誤りを専門家と振り返りながら、広報の視点で会社を守り、評判を高めるためのポイントを徹底解説します。

メディアトレーニング専門家 佐々木政幸氏はこう見る


教訓が生かされぬ
度重なる事故会見

9月3日に起きた新日鉄住金名古屋製鉄所で15人が負傷した爆発事故。9カ月で5回もの事故が同じ製鉄所内で発生し、その度に「二度とこのようなことのないよう、安全管理に努め再発防止の徹底を」と謝罪しているが、言葉の説得力がない。被害に遭った住民の方々や企業側が知りたいのは以下の事柄だ。

(1)なぜ、事故が頻発しているのか
(2)なぜ、事故を防げないのか
(3)何が原因なのか
(4)本社をはじめ社員の危機管理意識が欠如しているのではないか
(5)企業のブランドにあぐらをかいた「驕り」の意識があるのではないか

この事故では、企業側の謝罪ではなく(1)~(6)を被害者が納得できる広報を行うべきだ。同社が繰り返し行った記者会見では、どこか企業の立場を優先した説明に終始しているように見えた。重要なのは地域住民が抱える不安に対して、どのようなメッセージを出すかだ。会見だけで不安をすぐに払拭できるわけではないがその意識が強くあれば説明の姿勢が劇的に変わってくる。

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