なぜ「恋チュン」動画のように、社員の「顔」を見せるPR事例が増えているのか。その背景には「人的資産や組織風土が企業の競争力になる」という気づきがあったのではないかと、リンクイベントプロデュースの一色顕社長は指摘する。
社員への「共感度合い」重視
昨今、様々な企業が「社員の顔が見える広報」に取り組む理由は、一昔前の企業のイメージアップのような表層的なものではなく、多くの企業が、競争優位性の源泉や競合との差別化の本質が人的資産や組織風土にあると気づいたからではないでしょうか。
すでに商品のコンセプト、サービスの仕組みだけで顧客・消費者から選ばれる時代は終わりました。また新卒であれ中途であれ、優秀な人材を採用するには、給与水準や業界内のポジションといった外形上のものだけではなく、その企業が大切にしている理念や掲げているビジョン、その組織の価値観といった内的なものまで応募者側が企業を選ぶ基本的な要件に入れていることを認識する必要があります(図)。
モノがあふれ、情報も瞬時に伝わるこの時代、機能的価値や経済合理性だけで商品を選択したり、経済的条件だけで就職先を選択したりする人は格段に減りました。商品・サービスに込められた情緒的価値や、会社から発信される理念、それを体現している人の存在に対する共感度合いが「選ばれる」条件として…
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