忖度なきイノベーションで独自色を打ち出し成長を目指す
経営者の「プレゼン力」を診断。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。
プレゼン力診断
経営者やPRパーソンの「プレゼン力」を診断するコーナー。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。今回は資生堂・魚谷雅彦社長の記者会見のプレゼンの様子をレポートします。
ブランド発表会ながらアナリスト20人強も招待
7月18日、資生堂は恵比寿ガーデンプレイス内「ザ・ガーデンホール」にてエイジングケア化粧品「エリクシール」のブランドイノベーション戦略に関する発表会を開催した。注目すべきは、商品発表会でありながら20人強のアナリストを招いた点。投資家向けに改革に挑む姿勢をアピールしようという狙いがうかがえる。また、ブランドマネージャー、研究開発担当者、営業本部長など現場の社員も登壇させることで、「全社一丸」の体制を印象づけた。
資生堂の全社員で営業を行う「ICHIGAN Project」について説明する場面では、「イ・チ・ガ・ン」とメッセージを力強く繰り返してガッツポーズ。これは素晴らしい表現力。強調したい言葉の子音を立てて横隔膜を使い息から入っていたので(例:「s〜すごく」)、会場に気持ちが伝わっていた。
言葉に間をとり感情を込めて話しているが、気持ちが先走ると言葉をはしょり語尾が落ちたり、逆に語尾が伸びたりといった癖がある。ゆっくり話し、語尾はしっかり止めると説得力が増す。
アグレッシブに歩き回り、身振り手振りで話す印象は◎。舞台上の移動は、状況によっては微動だにせず、動く時は大胆に動くとさらにスケールが大きく見える。資料内容を記憶した上で中央を静かに見据えるようにもできると申し分ない。
熱い想いがあったためか予定時間を大幅超過したのは ...