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トップ広報と演出法

キリン広報出身、女性社長の心意気「格好つけず、本音で接する」モットー

キリンアンドコミュニケーションズ 代表取締役社長 丸山千種氏

「現場が長かった分、格好よく振る舞うよりも、本音を見せて従業員と接したい」――。営業から広報へ、そしてグループの顧客向け広報を担う会社の社長に。女性であることを最大限に活かし、パワフルに突き進む社長に、リーダーに必要な広報視点について聞いた。

キリンアンドコミュニケーションズ 代表取締役社長 丸山千種(まるやま・ちぐさ)氏
1986年キリンビール東京支社に入社し、エリア営業を経験後、営業研修、マーケティング企画を担当。その後、キリン・シーグラムで洋酒の免税市場の営業を経て、2003年キリンビール近畿圏統括本部広報部担当部長に就任。そこで近畿圏2府4県のエリアコミュニケーション(広報・広告・イベント・ウェブ)の企画を担当。そして2007年から2010年秋まで奈良支社長として、「平城遷都1300年祭」デザイン商品を地元酒造メーカー・量販チェーン企業とコラボレーションし、シリーズで展開。2010年広報部広報担当として雑誌を中心とした、報道を担当後、2011年より現職。

営業から近畿圏の広報を統括

「社長になってから、“元気・明るさ・笑顔”のモットーをより意識するようになりました」とほほ笑む、キリンアンドコミュニケーションズ 丸山千種代表取締役社長。「昔は写真に写るのも苦手だったのですが(笑)、取材を依頼いただく機会などを重ね、少しずつ慣れてきました。少なからず、自分の発言が企業イメージを左右するということもあるので、話し方や言葉づかい、取材の時には分かりやすく、なるべく(返答の)間が空かないように……など、細かなところまで意識するように心がけています」。

同社は、キリンビールの工場見学や広報施設、いわば顧客向けの情報発信基地の運営を手掛ける。丸山氏は、そこで働く約350人の従業員を束ねるリーダーだ。「コミュニケーションを専門とする事業だからこそ特に、従業員一人ひとりが広報視点を持つことが大切。私はトップの役割として、従業員に“この会社で働いて良かった”と思ってもらえるような風土・環境づくりに注力しています」。

丸山氏は、男女雇用機会均等法が施行された1986年にキリンビールに入社。営業として8年間、東京エリアの酒販店、飲食店などを担当した。その後、2003年から近畿圏2府4県のエリアコミュニケーションを手掛ける営業企画兼広報のリーダーとして、地域の情報発信を担う。「特に広報をやりたいと声をあげたわけではないのですが(笑)、営業から一転、広報の世界に。最初は本を読んで勉強したり、他社の広報担当者が集まる勉強会などに積極的に顔を出したりして、横のつながりをつくっていきました」。

この時に経験したのは、広報だけでなく、広告宣伝、イベントなど幅広いコミュニケーション全般。当時のチームがちょうど女性5人で構成されていたことから、「女性だけのチームはまだ珍しい時代だったので、これを活用しない手はないと思い」“5レンジャー”としてキャラクターを立て、それぞれの似顔絵をつくってウェブで情報発信をしたほか、シールを作って名刺に貼るなど、まずは覚えてもらうための取り組みを重ねた。

「地元メディアとの関係性を築くためにも、積極的にメディアに足を運んでいました。また、“この商品をPRするには ...

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