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トップ広報と演出法

「ちょい悪ブーム」火付け役・ファッションディレクターが、トップのコーディネートを指南

干場義雅氏(スタイルクリニック 代表取締役社長 『Sette mari』編集長 兼ファッションディレクター)

企業イメージを左右するトップは、見た目の印象も重要だ。トップが押さえておくべきファッションのポイントについて、ファッションディレクターとして活躍する干場義雅氏に聞いた。

“スタイルの師”と仰ぐ、ディエゴ・デッラ・ヴァッレ氏(トッズ会長)と。「日本人でも取り入れられるスタイルで、グローバルで通用する本物のスタンダードを理解されている方。スーツの着こなしひとつでも、学ぶ点が非常に多いです」。

――企業トップのファッションで、まず押さえておくべきこととは。

「ビジネスの場では、相手にいかに“信頼感”“安心感”を与えられるかが重要です。トップになれば、ことさらそう。トップの方をコンサルティングする機会も多いですが、ビジネスで成功している人は、必ず相手に対して失礼のないスタイルをしています。そうしたスタイルは、同時に信頼感も与えています。仕事において、信頼を得るということは何より大切です。

その人の考え方は、服装だけでなく実は姿勢や話し方にも表れます。トップたるもの、自分に自信があるように見えるかも大切な要素。話が長い人は、総じて仕事ができないように、要点を短くまとめて、端的に、そして断言的な話し方を心がけることも必要だと思います。話し方で言うと、小泉元総理や池上彰さんは良い例だと思いますね」。

――具体的に、“信頼感”“安心感”を与えられる服装とは。

「一言で言うと、いかに風景に馴染むことができるかということ。“エレガント=自然体=風景(自然)に溶け込む=絵になる”という図式です。東京に一番似合うスーツの色はグレー。なぜなら、コンクリートジャングルに溶け込む色だからです。世界で活躍しているビジネスマンは、この“馴染み方”が圧倒的にうまい。時間や場所、目的を熟知して、本当の意味でもTPPO※を理解していると思います。決して流行を追いかけたり、目立ったら良いというものではない。トップだからこそ、ごく当たり前のスーツをいかにきちんと着ることができるかという点が大事です」。

※TPPO=どんなときに、誰と、どんな場所で、どんな目的で

――ファッション力を磨くコツとは。

「往々にして、企業トップの方は勉強にかける時間はあったけれど、スタイルにかける時間はなかったという人が多い。スタイルは、流行を伝えるファッション誌からは学べません。TPPOを意識して、相手の立場に立った服装がいかにできるかを念頭に置いてコーディネートすることが大切です」。

『LEON』時代からこれまで、ファッションの都・イタリアに80回以上渡航し、本物の「スタイル」について学んだ。「“エレガント=馴染む”ということを、肌で感じました。働くときは集中して働き、余暇は存分に楽しむ。そして余暇で得たものを仕事に取り入れる……と、彼らのワークライフバランスから学ぶ点も多い」(干場氏)

スタイルクリニック 代表取締役社長 『Sette mari(セッテ・マーリ)』編集長 兼ファッションディレクター 干場義雅氏(ほしば・よしまさ)

雑誌『LEON』の創刊に参画し、“モテるオヤジ”や“ちょいワル”ブームの立役者としてヒット企画を手掛ける。その後『OCEANS』を創刊。フジテレビ「にじいろジーン」のミラクルチェンジコーナーやテレビ朝日「グッド!モーニング」のファッションチェックのコーナーにも出演中。

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