あの手この手で繰り広げられている自治体のPR合戦。地域の魅力を発信していくにあたり、押さえておくべきポイントとは?地域活性のプロが、リレー形式で指南します。
観光資源の洗い出しと見極め
「何をPRコンテンツとして扱うか?」は自治体にとって常に悩むところであり、中には「PRは必要だが、自慢できるような地域資源がない!」という地域も見受けられます。実は「自慢できる地域資源がない」という言葉は地元側の思い込みであり、“カスタマー視点”による精査が十分に行われていないケースが多いと思います。ここで必要なことは、正しいマーケティング術による地域資源の査定です。それでは、どんな観点でマーケティングを行えば良いのでしょうか?今回は、筆者が自治体PRのコンサルティングで常に活用している“じゃらんリサーチセンター(リクルートライフスタイル)”が開発した“GAP調査”というマーケティング術を紹介します。
この“GAP調査”とは、対象となる地域が有する自慢の地域資源を観光振興の対象とするエリアの方々に対して「認知度×関心度」という切り口でアンケート調査を行い、多くの地域資源群の中から“観光資源化”が可能なものを抽出するマーケティング手法です。図をご覧ください。“認知度が高く、関心度が高い”ものは「スター資源」と呼んでおり、現状で最もPRに向いている地域資源です。“認知度が高く、関心度が低い”ものは「マンネリ資源」と呼んでおり、顕在化しているPR情報では価値が低いと評価される地域資源です。“認知度が低く、関心度も低い”ものは「見直し資源」と呼んでおり、現状で最もPRに向かない地域資源です。“認知度が低く、関心度が高い”ものは「お宝資源」と呼んでおり、最も注目すべき地域資源です。