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PRパーソンのキャリア確立法

エキスパートが語る(2)「予算使わず、頭を使う広報の面白さ」

土井正己(クレアブ・キャビン・アンダーソン 副社長)、加治慶光(アクセンチュア チーフ・マーケティング・イノベーター)

広報のマインド、スキルを持ち、さまざまな組織や分野で活躍するPRパーソンたち。そのエキスパートたちに、広報にはどのような役割と価値があり、キャリアを築いた人にこれから求められることは何かを聞いた。

1回目:エキスパートが語る(1)「広報とは社会とのキャッチボール」

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「お金」ではなく、「頭」を使うのが、広報の面白いところ。

広報の面白さとは?

事業に直結する

土井氏の入社時の配属は広報部。約8年の経験の後、海外の営業、マーケティング、宣伝に携わった。広報の捉え方が大きく変わる転機となったのは、2000年からの4年間、「トヨタモーターチェコ」の社長補佐としてチェコの首都プラハに駐在し、経営全般をサポートする経験をしたことだ。

当時、チェコでは社名こそ知られているものの、トヨタ自動車のブランドはほとんど浸透していなかった。そのため、土井氏はまず、トヨタブランドの確立に取り組むことになる。知名度の低い国では、いくら広告を大量投下してもブランディングはできない。

「チェコでブランディングや工場の立ち上げをサポートする中で、経営者の考えを広く伝える広報機能が非常に重要な役割を果たしました」と土井氏は言う。工場を立ち上げることは、現地に雇用と同時に公害ももたらす。会社が地域に与えるよい影響・悪い影響は何か。どのようなビジョンを持った会社なのか。メディアを通じ、あるいはロビー活動を通じ、地域社会や地元行政からの理解を得なければならない。「広報が機能していなければ、工場立ち上げに賛同者を得られない。その事業がうまくいくはずもありません」。

このヨーロッパでの経験以来、土井氏は、経営に資する広報、営業に資する広報というように、大きなビジョンで広報の価値を捉えることができるようになったと言う。

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