ANA 広報部 春田歩美氏(はるた・あゆみ)
2006年、ANAに入社。特定地上職のグランドスタッフとして羽田空港に約4年間勤務し、10年7月から広報担当。
昨秋放送されたドラマ『ミス・パイロット』(フジテレビ)は、女性ながらパイロットを目指す候補生が主人公。コックピットの中など通常は出入りを厳しく制限される航空機内部が舞台になることが多かったが、本ドラマの撮影では、そのほとんどがセットではなく実物が使われていた。その立役者が、2010年からANA広報部のメディアチームに在籍する春田歩美さんだ。
06年入社の春田さんは、空港カウンターで航空券の発券や搭乗手続き、手荷物の預かりなどを行うグランドスタッフとして約4年勤務。広報歴は3年半だが、部署の中では在籍が長い方だ。
ANAの広報部は、新聞やテレビ局の報道記者対応や記者会見などを行う報道チーム、羽田空港を拠点に日々の運航情報を発信する羽田チーム、それに春田さんが所属する、テレビや雑誌の対応を行うメディアチームの3つに分かれる。メディアチームは、他のチームに比べてさまざまな媒体から要望を受けることが多い。「広報に異動したての頃は、メディアの要望をそのまま社内に伝え、強引な調整をしてしまうこともありました。ところが、そのやり方だと当社のデメリットになりかねない情報を公開してしまうことも。要望をかなえたはずのメディアにも、本当はこうしたかった、と言われ残念な結果に終わることもありました」。そんな苦い経験から、今では事前にメディアの企画意図を十分に汲み取る努力を怠らないようにしている。