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人気メディアの現場から

リニューアルで躍進、アラサー女子の共感を獲得する『BAILA』

集英社『BAILA』 佐藤真穂編集長

あのメディアは、テーマや取材先、紹介するもの・ことをどのように選び、決定しているのだろうか。そして、その裏にはどんな人がいるのだろうか。担当者のインタビューを通じ、それぞれのメディアの「今」に迫ります。

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(C)バイラ2013年9月号/集英社

2011年のリニューアルを契機に、マス化を狙うべく多くの施策を打った。人生に大きな変化が訪れるアラサー世代に向け、流行よりも"共感"を軸とした誌面作りを行う。

リニューアルを機に大きく躍進

創刊10周年を迎えた2011年に、大きくリニューアルを図った女性誌『BAILA』(バイラ)。半年ごとに雑誌の実売部数を公査する日本ABC協会の調査によると、昨年の女性ヤングアダルト誌 キャリア部門で2期連続カテゴリーナンバーワンを獲得。昨年9月号から連続9カ月に渡り、平均実売14万5000部、実売率75%と売れ行きも好調、躍進を遂げている。

「リニューアルを契機に、(BAILAを)マス化させたいと考え、思いつく限りいろんな施策を打ちました」と話す編集長の佐藤真穂氏。それまで1人だったカバーモデルを3人にし、それぞれの女性像を誌面に反映させたこともメジャー化に向けた大きな変更点のひとつ。もともとの理衣に加え、宝島社『Sweet』の躍進に貢献し数々の女性誌を席巻してきた梨花、集英社のアラフォー向け人気女性誌『Marisol』でカバーを務め、コンサバ系OLからも人気が高いSHIHOを新たに起用した。

モデルの雰囲気と合わせ、それまでの『BAILA』にはなかった"柔らかい女性像"や"きれいな色気"を強く打ち出す。「カバーモデルを3人にしたことで、ターゲットとする女性像の幅がぐっと広がり、それぞれのファンを取り込めるようになりました」。

ターゲットは、25~35歳の都会で働くアラサー女性。ファッションも、「そろそろ"かわいい"から卒業して、きれいな女性らしさに切り替えたい」という変身願望を持つ女性たちだ。「アラサー世代の女性は、流行よりも"共感"が大切。最先端のファッションを見せていくよりも、普通の服に旬と女性らしさを加えることを核に据えています」。

ファッション、美容、ライフテーマとアラサー女性を取り巻く要素をBAILA目線で伝える中で、特に意識するのが「読ませるための工夫」。ファッション誌ではあるが、写真だけでなく、言葉やストーリーの説得力にも重点を置く。「通学時間が長かった大学時代には、駅のキオスクでファッション誌を買って電車の中で読んでいましたが、あっという間に読み終わってしまう雑誌も多い。"見る"だけじゃなく"読む"要素もファッション誌には必要、とずっと考えていたので、BAILAでとことん実現させたいと思っています」。

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