買い物行動をデータで捉え、個々の消費者理解を深める
国内市場に大幅な成長が期待できないこれからの時代、大半のメーカーにとっては、従来からの売り上げ・シェア競争に加え、優良顧客の獲得競争が大きな課題となっている。そのためにどのようにデータを駆使するべきか。博報堂 博報堂買物研究所の前嶋誠一郎氏が解説する。
デジタル販促 瞬間を捉えて売上増
いわゆるデジタルネイティブの若年層世帯を中心に、消費者一人ひとりとのパーソナルコミュニケーションの場にしたい─こうした目標を掲げて日清食品は9月末、同社のオンラインストアをリニューアルした。ストア限定品第一弾は、3万円超と高額品ながら完売に。今後も限定品の投入を予定している。
日清食品は9月30日、同社グループの商品を扱うオンラインストアをリニューアルした。ことし3月にマーケティング部内で発足した「ECグループ」が担当する。同グループは、デジタルやネットの技術を活用してマーケティング施策に落とし込むことが役割。新たなオンラインストアは、そのプラットホームとなる。
オンラインストア専用商品第一弾は、人気アニメ「ガールズ&パンツァー」とコラボレーションしたもの。「ガルパン」の愛称で親しまれる同作品は、茨城県・大洗町を舞台に、戦車同士で模擬戦を行う架空の女性向け武道「戦車道」に打ち込む女子高生たちを描く。「戦車道」の全国高校生大会で優勝を目指す主人公らの奮闘劇が人気で、2012年の放送開始ながら、いまも根強いファンがいる。大洗町も町おこしに活用、大洗鹿島線を運行する鹿島臨海鉄道は、アニメ効果で黒字化を果たしたほど。
そのファンの強さは、今回も冴え渡った。日清食品とのコラボ商品は2種類あり、ひとつは「カップヌードル ガールズ&パンツァーパッケージ 砲弾型ストッカーセット」。オリジナルデザインのカップヌードル6食分と、カップヌードル3食を収納・保管できる「砲弾型ストッカー」「木箱風の特製ケース」に「オリジナルデザインのA2ポスター」をセットにしたもの。限定2500セットで価格はなんと、3万2184円(税込)。
もう一種類は、オリジナルデザインカップヌードル20食と、オリジナルデザインの …