買い物行動をデータで捉え、個々の消費者理解を深める
国内市場に大幅な成長が期待できないこれからの時代、大半のメーカーにとっては、従来からの売り上げ・シェア競争に加え、優良顧客の獲得競争が大きな課題となっている。そのためにどのようにデータを駆使するべきか。博報堂 博報堂買物研究所の前嶋誠一郎氏が解説する。
デジタル販促 瞬間を捉えて売上増
11月第4木曜日から始まる米国年末商戦の結果が間もなく発表されるころだ。事前にはどのような予測がなされていたのか。従来は感謝祭後の週末に集中していた購買が、徐々に期間を伸ばしている傾向も見られる。
11月の第4木曜日「サンクス・ギビングデー」、米国年末商戦の火ぶたが切って落とされた。ことしは11月24日だった。そして翌25日金曜日は「ブラック・フライデー」、翌26日土曜日は「スモールビジネス・サタデー」として、週末まるごとショッピングが続く。
「スモールビジネス・サタデー」は、アメリカン・エキスプレスが近年、取り組みを続けている日。大手企業のセールに消費者の足が向くなか、この日は地元の中・小規模の店舗(スモールビジネス)で買い物をしよう、とアピールする日だ。
全米小売業協会(NRF)は10月4日時点で、2016年11月〜12月の小売業の売上高を、前年比3.6%増の6855億ドル(76兆1110億円)と想定(自動車、ガソリン、飲食店の売り上げを除く)した。ここ10年間の平均成長率は2.5%、7年間で見ても同3.4%だったため、2009年の落ち込みから回復したことが伺える。
米国では、小売業がこの期間に年間売上高の2割〜3割を売り上げると言われ、文字どおりの書き入れ時。
その多くを担うのが「サンクス・ギビングデー」から始まる年末商戦だ。NRFは、「サンクス・ギビングデー」後の週末 ...