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訪日販促の明暗 ポスト爆買いを生き残る

ネット上でニーズ分析 アプリで情報提供も

釧路市 / 日本IBM

釧路市はことし1月に「観光立国ショーケース」に認定されたことに伴い、日本IBMを起用した、訪日外国人客の観光客増を図るプロジェクトを8月に開始した。ネット上の口コミを分析し、観光サービスの改善に生かす。

釧路市はことし1月29日、観光庁により、訪日外国人旅行者を地方へ誘客するモデルケースを形成する取り組み「観光立国ショーケース」として選定された。「釧路湿原国立公園」「阿寒国立公園」に代表される自然の観光資源で訪日外国人客の誘引を図る。「観光立国ショーケース」にはほかに金沢市、長崎市が選ばれた。

(写真:123RF)

想定不可能なニーズを口コミデータから探る

北海道釧路市と弟子屈町は日本IBMを起用し、ことし8月から本格的に訪日外国人客の観光客増を図るプロジェクトを開始した。2015年度の釧路市の外国人宿泊者数は、約14万2500人。2020年には約2倍となる27万2800人を目標に掲げる。

ソーシャルメディアや大手口コミサイト、個人ブログなどを網羅し、訪日客のニーズを探る。外国語(英語、中国語繁体字・簡体字)で発信されている釧路エリアについての情報の調査分析を実施。その結果に基づき、外国人観光客のニーズに応じたサービスの提供について、外国語での情報発信を行う計画だ。

釧路市は、ことし1月に「観光立国ショーケース」に認定されたことに伴い、公式Webサイトでの情報発信ほか各種事業にデータを活用する。

ことし12月には観光情報を提供するスマートフォンアプリも公開する予定。訪日観光客への情報提供を目的としている。

今回のプロジェクトは2016年度の単年度事業で、公募入札には5社が応じた。

対象となる口コミ件数は100万件規模

訪日客のニーズ分析は、昨年度から対面聞き取り調査を行ったり、宿泊施設に調査用紙を置くなどして行ってきたが、ネット上の口コミを取り入れて加速させる。

「インタビューやアンケートを行う際の『質問項目』を設定するのには仮説が必要。しかし、『訪日客が魅力を感じる点』はわかりづらいもの」と話すのは、日本IBM公共サービス事業部アソシエートパートナーの小林真氏。

例えば『宮城蔵王キツネ村』(宮城県白石市)のように、訪れた外国人客の投稿や海外メディアに取り上げられて人気に火が点くケースはある。「生のデータにあたれば、アンケート調査などでは見つけづらい釧路市の魅力が見えてくる」

データは、IBMと世界的に提携しているツイッターからの提供や、観光口コミサイト大手トリップアドバイザー、台湾の口コミサイト「バックパッカーズ」をはじめ...

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