イベントは「体験」の先へ カギは「パーソナライズ」に
巻頭特集では、さまざまなコンテンツを通じて、「体験」を参加者らに提供し、彼らの心を強く惹きつける例を見てきた。こうした「体験」は、プロモーションでどのように活用できるか。電通の石阪太郎氏、神志名剛氏の両氏が解説する。
イベントで集めた顧客、売上につなげるには
イベントそのものがメディアに注目されれば、来場者だけでなく、広く世間に認知してもらうこともできる。そして広報PRをうまく活用すれば、露出以上に、セールスにも貢献できるようになる。PRのプロ、井口理氏にポイントを尋ねた。
記者やリポーターは、皆同じように見えても、それぞれ視点が異なるもの。掲載を狙うメディアがどんな視点を持つかを分析することがPRのコツの一つ。
消費者の購買活動が社会的に承認される環境をつくることです。「この商品を買うことは正しい」「カッコよくてステキだ」とポジティブな評判を生む土壌をつくる。世の中を、商品の味方につけるんです。
「第3のエコカー」(ダイハツ工業)が例に挙げられると思います。当時エコカーブームとしてハイブリッド車の一人勝ちという状況でしたが、軽自動車も「元祖エコカー」と呼ばれる存在でした。
ハイブリッド車は、燃費は確かに良いが、価格面では手頃とは言えない。「エコロジー」と「エコノミー」どちらを求めるか、という関心が集まり出した時期だと思います。
2011年9月発売の軽自動車「ミラe:S(イース)」は既存のガソリンエンジンの性能を究極まで高めたもので、その燃費はハイブリッド車に拮抗するものでした。「軽自動車でもガソリン(化石燃料)を減らしエコに貢献できる。おサイフにも優しい。そういう考え方もあるよね」という世の中の同意を得られれば、「ミライース」にとって追い風になります。つまり、その同意を得ることが広報PRでの役割になります …