誘致のカギは独自資源の活用 「アート」に活路を見出す香川県の挑戦
2000万人規模となった訪日観光客は“巨大マーケット”として、企業だけでなく地方自治体からも熱い視線が送られ、激しい誘致競争が繰り広げられている。その土地ならではの魅力を発信し、取り組みが奏功している地域がある一方で、そうでない地域も少なくないのが実情だ。香川県の事例から、その成否を分けるカギを考える。
インバウンド×地方創生
グローバル化が進み、いまや日本で活躍している外国人マーケターも少なくない。現在、日本に在住している彼・彼女らは、外国人として、マーケターとして、日本におけるインバウンドマーケティングをどのように捉えているのか。率直な意見を求めた。
モルソン・クアーズ・ジャパン ブランドマネージャー ビンセント・ニコル氏
モルソン・クアーズ・ジャパン
アルコール飲料「ZIMA(ジーマ)」(モルソン・クアーズ・ジャパン)のブランドマネージャー、ビンセント・ニコル氏は、日本に住んで10年が経つ。同氏は、日本を訪れた友人や知人のため、観光案内をすることも多いという。訪日観光客に近い立場として、インバウンドマーケティングの課題を率直に指摘する。
日本は観光で、ナンバーワンの国になれると思っています。10年前、僕が日本に住み始めて以降、フランスからたくさんの友人や知人が日本にやってきました。実は半分くらいの人は、もともと日本にあまり興味を持っていませんでした。でも、帰るころには、ほぼ100%の人が日本での観光に満足し、帰国していきます。それぞれ、料理やポップカルチャーなど、何かしら響くものがあったようです。
日本はホテルやお店のサービスのクオリティが非常に高いことはもちろん、日本人そのものも親切ですよね。街で困っている外国人がいると、誰かしら助けようとしてくれます。財布を落としても、持ち主の手元に戻ってくることも少なくありません。世界を見渡してみても、そんな国はほかにないでしょう。そういった日本人の気質やサービス精神は、このまま変わらないでいてほしいものです …