レンタル・シェア文化を浸透させるためのブランディング (後編)
必要なときに必要なだけ利用できる経済性や合理性が支持され、広がりを見せているレンタル・シェアリングサービス。車からファッション、スペース、スキルまでさまざまなカテゴリーでサービスが生まれている。ただ、なんとなく存在は知っているものの、一歩を踏み出すには至っていない生活者が多いのも事実。成長過程のサービスの最新プロモーションを取材した。
業界別販売促進
犬や猫の写真集が売れたり、テレビCMに犬や猫が起用されたりと、日本人のペット熱は留まるところを知らない。ただ、近年ペットの飼育頭数は減少傾向にある。ペットの飼育頭数が頭打ちである以上、市場を伸ばしていくには、飼い主が1頭あたりにかける金額をいかに増やしていくかが鍵となる。「うちのかわいい○○ちゃんのためなら……」と飼い主が思わず財布の紐を緩めてしまうような商品やサービス、プロモーションとは、どんなものだろうか。
愛猫への愛情のこもった食事を提案
●ネスレピュリナペットケア/「モンプチ」とABC Cooking Studioがタイアップした、猫のための料理レシピが学べる料理教室(写真上)や、一流シェフによるフレンチフルコースのケータリングサービス「Catering」(写真下3点)を実施。家族のように愛する猫との絆を深められるブランドであることをアピール。
ケータリングサービス「Catering」の紹介動画。
上が猫用、下が飼い主用。
空前のペットブームと言われて久しい。犬と猫の飼育頭数は2008年をピークに減少傾向にあり、2015年は犬が991万7千頭、猫が987万4千頭、合わせて1979万1千頭だった(一般社団法人ペットフード協会調べの推計)。最近は室内で飼える猫や小型犬に人気が集まり、猫の頭数が犬を上回りそうな勢いである。
矢野経済研究所によると、2013年のペット関連市場は前年比100.8%の1兆4288億円であり、ここ数年微増が続いている。最もボリュームが大きいペットフードは前年比101%の4476億円、犬用トイレシーツや猫砂などのペット用品は前年比100.2%の2498億円だった。
市場は微増・現状維持の状態だが、ペットの家族化が進むにつれ、ペットの健康や暮らしの快適さに配慮した商品やサービスへの需要が高まっている。飼い主の“親心”をつかもうと、ネット上のコミュニティやSNSを通じたファンづくりや、ペットと一緒に立ち寄れるリアルな接点づくりなどで各社が知恵を絞る。一方で、セルフ中心のペット関連売り場でライフスタイル提案型の商品をどう見せるかなど課題もある。
ペットの成長に合わせた栄養バランスで、健康で長生きするためのペットフードはもはや当たり前。ペットに家族のような愛情を注ぐ飼い主が増えるにつれ、ペットフードの分野でも、ペットが快適に過ごすための商品や、飼い主の心配ごとや困りごとを解決するようなサービスが増えてきている。
ネスレ日本のペットケア部門「ピュリナペットケア」の主力ブランド「モンプチ」は、「おいしさ」にこだわった高級グルメ志向のキャットフード。味や食感の異なる100種類以上のラインアップをそろえ、食わず嫌いの猫にも飽きさせずに食べさせたいと願う飼い主の要望に応えてきた。「キャットオーナーと猫の絆を深める」がブランドコンセプトである。
プロモーションでは、ここ数年、ブランドのプレミアムな世界観を表現し …