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経営トップ 販促発想の着眼点

6年で経常利益5.8倍へ、老舗和菓子屋トップの着眼点

船橋屋

ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

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船橋屋は創業以来211年間、くず餅一筋に商売をしてきた。家訓「売るよりつくれ」を事業のベースに経営に取り組み、この約6年間で経常利益は5.8倍にアップ。今年は、くず餅の製造過程で生まれる乳酸菌由来のサプリメントを販売する予定。近い将来、海外に展開することも視野に入れている。船橋屋は和菓子の販売だけではなく、サプリメントの開発・販売も事業領域に加え、新たな飛躍を目指す。

船橋屋 代表取締役 渡辺雅司氏(わたなべ・まさし)
1964年生まれ。1986年立教大学経済学部卒業。同年三和銀行入行(現・三菱東京UFJ銀行)。日比谷支店(融資)、本店市場営業部(ディーリング)、銀座支店(営業)を経て1993年退職。同年、船橋屋入社。専務取締役を経て、2008年8月代表取締役就任。

家訓は“売るよりつくれ” 商品、人、客を“つくる”

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船橋屋本店
江戸時代から観光名所として有名な亀戸天神のすぐ近くにある本店。老舗らしいたたずまいが、心を落ち着かせる。


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本店内の喫茶ルーム 
作家の吉川英治も船橋屋のファンだった。喫茶ルームには、吉川英治がケヤキの特大一枚板に墨書した「船橋屋」という看板が掲げられている。

船橋屋は、年間を通じて参詣の客足が絶えない亀戸天神(東京・江東区)近くに本店を構える、江戸時代文化2年(1805年)創業の老舗和菓子屋だ。主力商品は「くず餅」。小麦でんぷんを原料に作ったくず餅に、秘伝の黒糖蜜と香ばしいきな粉をかけて食べる絶妙な味わいが人気だ。くず餅のほかあんみつ、みつ豆、豆寒天なども製造・販売しており、都内を中心に21店舗・売店を展開する。

2008年8月から代表取締役を務める船橋屋第八代目当主、渡辺雅司氏は、船橋屋家訓の“売るよりつくれ”を信条に事業に取り組み、直近の6年あまりで経常利益を5.8倍に向上させた。

渡辺氏は「家訓の“売るよりつくれ”の“つくれ”には、単に商品づくりという意味だけではなく、“人づくり”や“客づくり”など多彩な意味を込めています」と話す。

例えば“人づくり”においては、3年ごとに立てている「中期経営計画」をマンガで表現し、しっかりと内容を社員・パートに伝え共有できるよう工夫している。さらに、社員・パートには中期経営計画をひとりで見ることよりも、必ず誰かといっしょに見て、内容を共有しながら理解を深めるようにすすめている。

また、毎年期首と半期の2回で …

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