シリーズ最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の公開にあたり、2015年元日から“STAR WARS YEAR”を打ち出し、市場を盛り上げてきたウォルト・ディズニー・ジャパン。消費を動かすコンテンツパワーを持つ『スター・ウォーズ』の魅力、そしてパートナー企業とのコンテンツマーケティングについて、バイスプレジデント・シェイクスピア悦子氏に聞いた。
ウォルト・ディズニー・ジャパン シェイクスピア悦子氏
─38年前に第1作が誕生以来、世界を熱狂させてきたコンテンツ『スター・ウォーズ』シリーズですが、愛され続ける理由をどのように分析していますか。
作品として素晴らしいことは言うまでもありませんが、映画というフレームを超えた壮大なスケールの世界観が人々を惹きつけてやまないのだと思います。
ビジュアルも魅力的で、その時代ごとの革新的な技術を盛り込んでいます。そして何よりも素晴らしいのは物語性です。これはディズニーの持つ他のコンテンツとも共通している点です。ディズニーのブランドの骨格にあるのは、多くの人を魅了するストーリー・テリングですから。『スター・ウォーズ』の物語は宇宙で繰り広げられます。もちろん非現実の世界ですが、作品に描かれているのは家族に対する愛情であったり、愛する人を失う悲しみであったり、悪に打ち勝とうとする苦悩や苦悶であったり、私たちの日常にも通じる普遍的なテーマです。だからこそ作品を見る人それぞれが、自分なりの悩みや思いと照らし合わせながら共感できるのです。シリーズ第一作公開から40年近くが過ぎてもなお、世代も性別も国境も超えて愛されている理由はここにあると思います。
─シリーズを支えるファン層には男性が多い印象があります。
シリーズ当初から作品を愛してくださっているコアなファンは、確かに男性が多いです。しかも並々ならぬ情熱をお持ちです。彼らファーストジェネレーションは現在、父親あるいは祖父になり、2世代、3世代で『スター・ウォーズ』を楽しまれているような方々。映画制作のルーカスフィルムが2012年にディズニーのグループに加わる際に行ったマーケットリサーチでは、小学校低学年にも『スター・ウォーズ』ファンがいて、彼らはファーストジェネレーションである祖父や父親の影響を強く受けていることが分かりました。世代を超えて継承がなされているというのが『スター・ウォーズ』の大きな特徴です。
そのときのリサーチでは意外に女性ファンが多いこともわかりました。『スター・ウォーズ』は社会現象化していて、ファッションやアートとも相性がいい。それも手の届かないアートではなく、日常的なファッションとして取り入れられており、感度の高い女性たちに支持されています。
また、東京ディズニーリゾートには『スター・ウォーズ』をモチーフにしたアトラクション「スター・ツアーズ」がありますから、「映画を見たことはないけれど、アトラクションがきっかけで好きになった」という女性も少なくありません。映像もファッションもアトラクションも ...