台湾の若者を中心に浸透する「文芸青年」ライフスタイル。彼らの好みに合わせた店舗も続々登場している。
台湾で人気の「文芸青年」
いま台湾では、「文青」と呼ばれる20、30代の若者が多く登場しています。今後、台湾向けの販促を考える上で必ず押さえておきたい社会現象だと思います。「文青」とは、「文芸青年」の略で、2012年に登場したスマートフォン向けアプリ「文青相機」が火つけ役となって広まったトレンドです。彼らの特徴は「マイナーな音楽や映画を好み、黒縁眼鏡をかけ、やせ型でスキニーパンツを履いて、自分の世界を大切にするライフスタイル」。ここから「文青風」「文青路線」といった名詞も生まれました。女性の場合は「文青少女」と呼びます。性別を問わず、広く息長く浸透しているようです。
「文青」は、ライフスタイルだけではなく、文学、カフェや民宿(日本で言うペンション)、バザール、ライブハウス、ファッションなど、さまざまな分野に波及しています。文青に関係のあるものごとに必ず人気が出て一般の人々の話題を呼んでいます。文青が気に入るようなユニークなショップも生まれました。
「文青」が台湾人に受けたのは一体、なぜでしょうか。一つは「プチおしゃれ」ができる点。金銭的にそれほど余裕のない台湾若者世代に、低価格でもおしゃれができる点が受け入れられたようです。
台湾の人々は「流行りモノ好き」ということも見逃せません。文青風のお店や旅館がたくさん生まれて社会的なブームになると、そもそも流行を追うのが好きな台湾の消費者の興味を強く引き、トレンドがさらに大きくなる、という循環が生まれたのだと思われます。
スマートフォンがブームを加速したことも考えられます。ソーシャルメディアを利用して個人が多くの文青風写真をアップしました。撮影場所には多くの若者が集まっています。
台湾の消費者は流行好きの半面、冷めやすくもあるのですが …