広告主にとって、コスト削減はいつの時代も悩みの種だ。最近はターゲットや目的によって販促手法が多岐に渡り、コストマネジメントも複雑になっている。博報堂プロダクツで印刷事業を統括する西尾英樹氏に、効率化にあたっての課題と解決法を聞いた。
博報堂プロダクツは、全国の印刷関連会社と連携して多様な顧客課題に対応しようとしている。
印刷物の制作に関して、クライアント企業から最も要望が多いのは「効率化」です。単にコストを削減すればいいというものではなく、いかに品質とスピードを担保しながらコスト削減を実現するかが、一番の課題です。
同じものを大量に印刷して大量に配布していた昔とは違い、今は多種多様な印刷物をターゲットや用途に合わせて細かく使い分ける時代です。我々印刷事業本部でも、カタログやポスター、チラシなど主要な印刷物のほかに、ノベルティ、店頭什器、バリアブル印刷などにも対応しています。印刷物が多種多様になるほど、効率化と言っても一筋縄ではいかないものです。
その点、工場を持たない「ファブレス」な印刷事業に従事する我々だからこその強みがあると考えています。私たちは全国で約100社にものぼる印刷・印刷加工会社とのネットワークを築いています。印刷の専門知識を持つ当社の「印刷プロデューサー」がクライアント企業との窓口となり、企業のニーズや課題を把握したうえで、効率化を実現するための最適な業務設計と業者選定を行っています。
効率化は印刷物に限ったことではありません。最近の潮流として、印刷物を含めたプロモーション全体で効率化を図ろうとする動きが顕著です。デジタル、イベント、映像、ノベルティなど印刷以外の販促施策とどう組み合わせるのか、また予算配分をどうするのか。真に効率化を実現するには、プロモーション全体における業務最適化が不可欠です。
「紙かデジタルか」の二者択一にややもすると陥りがちですが ...。