本田技研工業は、軽自動車「N-BOX(エヌボックス)」シリーズの2015年4月~9月の販売台数が7万7211台に到達。15年度上半期の軽四輪車新車販売台数で1位を獲得した。11年末にデビューし、12年度、13年度と市場トップの地位を維持。14年度は首位の座を明け渡してしまったものの、見事返り咲きを果たした格好だ。
2014年12月に発売した「N-BOXスラッシュ」も好評。 カスタムテイストの外装と、8スピーカーと1サブウーファーで構成した「サウンドマッピングシステム」が特徴だ。
軽乗用車トップクラスの室内空間の広さ※2や存在感のあるデザインなどから、主に子育て層から好評を得ている「N-BOX」シリーズ。今回の仕掛け人は、本田技研工業で商品企画を担当する加藤悠規氏と、プロモーションを手がける金子一氏だ。再び首位奪取に至ったリニューアルの背景や、プロモーション戦略について語ってもらった。
※2室内三寸法(室内長、室内幅、室内高)に基づく(2015年10月現在)
本田技研工業 日本本部 営業企画部軽・スモール戦略課 主任 加藤悠規氏(右)
同部商品ブランド課 主任 金子 一氏(左)
―「N-BOX」シリーズのこれまでの道のりを教えてください。
広がる「N-BOX」シリーズ
アウトドア向けや車いす仕様車、若者向けなど「N-BOX」シリーズは多岐にわたる。
加藤悠規氏▶「N-BOX」シリーズは、2011年12月に第一弾「N-BOX」発売を皮切りに、翌年7月にアウトドアなど趣味で使うユーザー向けの「N-BOX+(エヌボックスプラス)」、8月に「N-BOX+車いす仕様車」を発売し、ユーザーの幅を拡げてきました。
当時の市場は、税金やガソリン代といった維持費の観点から軽自動車に対する注目が高まっており、登録車ユーザーのダウンサイジングと共に、軽自動車の比率が年々上昇していました。そこにN-BOXは、登録車並の装備や質感、広さを併せ持つ軽という商品魅力でニーズを捉え、新たな市場を切り開けたと思います。2012年度、13年度と2期連続で軽四輪車販売台数1位となることができました。
ところが、競合の攻勢により、スーパーハイトワゴン市場の競争が激化し、2014年には2位へ下がってしまいました。そこで2015年2月、お客さまの声に改めて向き合ってリニューアルしたN-BOXを発売したんです。おかげさまで ...