商品が手に取れる棚の前で動画を流し、その場で買ってもらうには、どうしたらいいのか。テレビCMとは異なる、店頭ならではの訴求の仕方を探る。
小型デジタルサイネージの販売価格は、1台8000円~1万円が相場だが、最近ではモニターの枠に当たる部分をアクリルではなく紙にした、5000円前後のタイプが出てきているという。またタッチパネルタイプや、センサーを搭載し人を検知すると動画が流れ始めるタイプも、店頭で採用され始めている。
店頭動画で売り場スペースの確保
商品やPOPが所狭しと並ぶ中、店頭で動画を流すことで、どのような効果があるのか。小型デジタルサイネージ販売の国内シェア5割を占めるimpactTVの調査によると、店頭で動画を流す前と流した後で、売上が1.5倍という結果が出ている。
「小型デジタルサイネージを付けることで、POSデータに動きが出る。売上に直結することに加え、設置売場店員への商品知識向上、売り場確保のための商談で有効に使えるというメリットもある。テレビCMだけでなく、店頭CMを展開し、音や映像を使って、購入直前の顧客に分かりやすく訴求する施策がとれれば、売り場も賑やかになり、接客の支援にもなる。単品だけでなくカテゴリーセールスにもつながりやすい」とimpactTV取締役の川村雄二氏は話す。同社の場合、ドラッグストアやホームセンターでの設置が多く、メーカー企業の依頼を受け、映像制作(30万円~)や、機器の設置、USBを使ったコンテンツの更新を行っているという。
「店頭CMは、商品が手に取れる位置にいる顧客に向け流すもの。必ずしも、テレビCMのようなリッチなコンテンツは必要ない」と川村氏。店頭CM用の独自の動画を制作して流すケース、店頭CMとテレビCMをくっつけて流すケースが多く、長くても1分以内に収めることを推奨しているという。
効果的な動画 おすすめの3パターン
では、店頭で流す動画には、どのような種類があるのだろうか。
動画制作の方法は、大きく分けると、実写ムービー型、CGアニメーション型、そしてカタログやウェブの素材などから映像を起こすスライドショー型がある。最も制作予算を抑えられるのは …