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経営トップ 販促発想の着眼点

美術作品の展示販売会を核に8年で年商8倍に―加島美術

蓬田修一(ジャーナリスト)

ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

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加島美術は日本の書画作品を主に扱う美術商だ。2013年に現在のレトロモダンな新店舗に移転。店舗の1階と2階がギャラリースペースで、2階には茶室もある。約450点の美術作品が出品される展示販売会「美祭-BISAI-」の開催を軸に、新規顧客の拡大などを図り売上を伸ばしている。美術マーケットの拡大を目指し、現存作家の発掘や育成にも力を入れる。

加島美術 代表取締役 加島林衛氏(かしま・しげよし)
1974年、東京生まれ。学業を終えると、京都にある古美術商で10年間修行し、作品を見る目を養うとともに、顧客との接し方などを学ぶ。その後、父親が経営する加島美術に入社。美祭の立ち上げや美祭カタログの企画・出版など、新規事業を積極的に行う。2009年に代表取締役に就任し、新規顧客の開拓などに一層力を入れ、入社してからの8年間で年商を8倍に伸ばした。 

ギャラリー空間に本格的な茶室を設置

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レトロモダンな店舗 
店舗は昭和初期に建設された瀟洒(しょうしゃ)な建物(写真上)。1階ギャラリースペースは広い空間を活かした展示構成が可能。2階ギャラリースペースの壁は日本の伝統的な工法で塗られ、本物の古美術作品がより一層引き立つ(写真下)。古美術だけでなく現代美術の展覧会も開催されている。

東京・京橋に店舗を構える加島美術は、近世日本の絵画や掛け軸などを中心に取り扱っている美術商だ。美術愛好家へ作品を販売するだけでなく、全国の美術館や博物館へも作品を納入している。

1988年に東京の神楽坂で創業。当初は主に書の作品を扱っていたが、徐々に、取り扱う作品の幅を広げてきた。

業務の拡大にともない店舗を移転し、2013年には美術商が集積する日本橋・京橋エリアで店舗を拡大し営業している。店舗は昭和初期の建築物を活用し、レトロモダンで瀟洒(しょうしゃ)な印象の建物だ。

1階は平戸間式の広いギャラリースペースになっていて …

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