訪日外国人客数は2014年に1341万人となり、前年の3割増に。外国人の来店客に対応し、売り上げを伸ばしていくには、多言語化への対応が欠かせなくなっていくだろう。では、日本語のツールがひしめく店頭で、いったいどのような準備をしておけば効果的なのか。ツールの視点から訪日客対応を考える。
![](https://mag.sendenkaigi.com/hansoku/201504/images/058_01.jpg)
訪日外国人向けの総合免税店「ラオックス」の棚。外国語でのメッセージを記載したPOPを設置している。
海外客向け売り場における二つの課題
店頭を視察していると、外国人観光客が本当に増えたなと実感する。銀座や築地、秋葉原を歩けば、周囲の会話に外国語が飛び交い、外国人観光客向けの店舗には、何十人もの外国人が、横付けされた観光バスから店内へと吸い込まれていく。周りの小売店や飲食店に入ってみれば、メニューや店頭の看板が複数の言語で表記されている。中へ入ると、そこはもう外国の店舗の様だ。日本語での会話は、接客も含めてほとんど聞かれない。しかしその一方で、商品のディスプレイやPOPの訴求内容は、通常の日本語表記のままだ。店頭ツールは、まだまだ外国人観光客の対応にまで手が回っていない。
2020年の東京オリンピックに向けた訪日客増加を考えると、外国人観光客向けの売り場づくりは急務である。しかし、いざそのような売り場を作ろうと思ったところで、具体的に何をすべきなのだろうか。まず思いつくのは店頭ツールの多言語化だが、安易にさまざまな商品訴求を外国語に翻訳するのは難しい …
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