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2014年新市場を切り開いたヒット商品

世界の支持、日本に根付くか――ぺんてる「エナージェル・トラディオ」

ぺんてる

世界販売累計3億本超のゲルインキボールペン「エナージェル」と、20年以上販売を続けるプラスチック万年筆「トラディオ・プラマン」がフランスで融合した「エナージェルトラディオ」。2013年3月に発売し、日本を除くアジア、欧米で支持を集めている。14年10月に日本導入を果たしたこの商品、どう国内でヒットさせるか。

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エナージェルは2000年に発売したゲルインキボールペンで、販売本数は累計3億本を超える。世界120カ国以上で販売され、13年度は海外現地販売が前年比約30%増加、14年度は特にアジア地域で伸び、さらに40%以上アップした。

この最新版として13年3月に発売したのが、「エナージェルトラディオ」だ。仏現地法人ユーロぺんてると現地工場が企画した商品で、キャップ式のデザインがペン文化を持つ欧州らしい。

この「エナージェルトラディオ」が14年10月、日本でも発売された。

「とは言え、ただ逆輸入しただけでは、苦戦を強いられる」と話すのは国内営業本部マーケティング推進部の丸山雄太氏。発売1カ月で、一部文具店から数十本まとめて客注が入った一方、まだ動きが鈍い店頭もあるという。しかし、丸山氏は「想定どおり」と冷静だ。

ボールペン市場は微増傾向 デジタル普及で脚光?

普通は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器の普及によって、筆記用具が必要となる場面が減ってきているのではないか、と心配しそうなところだ。しかし市場は、「ここ5年ほど微増傾向で、大きな変動はない」という。

国内ボールペン市場全体で約400億円規模で、その内油性ボールペンは約195億円。ゲルインキボールペン市場は2012~13年にかけて伸び、約194億円と油性に迫る。これを丸山氏は、「実際、利用機会は減っているだろう。それでも市場が縮小しないのは、購入単価が上がっているからだと見ている」と分析する。「書いた後でもこすれば消えるボールペンなど、機能に付加価値のあるもの、あるいは少々高くても自分好みの情緒的価値のあるペンを選ぶ傾向があるのではないか」。

メディアが手書きの良さを訴えることも少なくない。昨年は、テレビ番組で「美文字」が紹介され …

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