数々のグローバル企業で新規マーケット参入、商品開発の経験を持ち、現在は複数の大手企業のアドバイザーを担う射場瞬氏が、アメリカでの調査をもとに、日本の販促担当者が知っておくべきSP分野のキーワードを解説します。
タブレットレジは従来のキャッシュレジの機能に加えて、決済データを活用したマーケティングを可能にする。
イラスト:根津あやぼ
タブレットレジ Tablet POS
タブレット端末にPOS アプリをインストールしたレジのこと。オフラインのPOS データに加えてオンラインのPOS データも管理できるため、売上、在庫、顧客情報などを統合的に扱え、データベースをフレキシブルに活用できる。米国では、高価で機能が限られる従来のキャッシュレジに代わり、タブレットレジの導入が進んでいる。
射場▶ 米国では、安価で導入が簡単、持ち運びもできるタブレットレジの導入が進んでいます。
販促▶ 従来のPOSレジではなくタブレットレジを導入する店側のメリットって何でしょう。
射場▶ 既存のPOSレジは、アップグレードや変更が難しい仕組みになっています。例えば、QR コードに対応させる、在庫管理をするという変更も、時間と費用をかけたシステム改善が必要になることが多い。一方、タブレットレジは、ソフトやアプリをアップグレードすれば、機能を加えられます。店舗の運営や在庫管理、マーケティングに有効なアプリが開発されたら、それをダウンロードするだけでハードを変更することなく新機能が使える。この拡張性が、タブレットレジの利点です。
販促▶ タブレットレジで集めたデータを使って、何ができるようになるのでしょうか。
射場▶ 大きくは二つ。一つは店舗運営の効率化。タブレットレジ一つで在庫、シフト、予約のデータ管理ができれば店舗は便利です。もう一つは…