「女子」の浸透と消費行動への影響
松井ゼミは2001年設立、この春に10期生を送り出した。ゼミを担当する松井剛教授の研究分野は、「言葉とマーケティング」。現在のテーマとなる言葉は「女子」だ。
「女子力」「女子会」などという言葉は、商品・サービスをプロモーションする際にも使われるようになっており、「女子」という言葉の価値観は、ここ数年で大きく変化している。興味深いのは、女性が当事者として「女子」という言葉を使うこともあれば、「自分は女子じゃない」と表現する時にも使われるという点だ。
「例えばスポーツ好きの女性が『“体育会系女子”と、かわいい女性に言われてムッとした』という話もあって、消費者が女子という言葉に対する距離感は、それぞれの『女子観』に応じて変化します」と松井教授は指摘する。
メディアではポジティブな面が強調されることが多い「女子」という言葉だが、現実的にはネガティブな印象を持つ人も存在する。
松井教授は、大宅壮一文庫から雑誌記事のタイトルを5万件収集し、テキストマイニングを実施した。そこから引き出した「女子」の意味とMROC(Marketing Research Online Community)調査で実施した20代から40代の男女約60名による議論との比較を行った。
「メディアで使われている言葉が ...
あと79%