広告会社世界大手のJWTは2004年から毎年、グローバルトレンドを象徴する10のキーワードを発表している。9回目の今回は13年11月5日から8日にかけて、18歳以上の1003人(米国人500名、英国人503名)を対象に定量調査を実施。各支社のプランナーやリサーチャー計70人から各国市場についての洞察を集めた上、各界の専門家の意見を取り入れた。今回はこの中から、日本市場でもプロモーションのヒントとなりそうな二つのキーワードを紹介する。
ユニリーバ DoveのテレビCM「Evolution」(2006 年)。広告で描かれる女性の虚構を映して話題となった。
ビジュアルで語る
いまや「絵文字」は「emoji」として、オックスフォード英語辞典に掲載されている。モバイル環境と、コミュニケーションの高速化で、ビジュアルが「言葉」として流通しつつある。解釈に幅があるので、言葉で伝えるよりも行間のニュアンスを示しやすい。
自らを撮影した写真をネット上に公開する「自撮り(Selfie)」も、洋の東西を問わず活況だ。「自撮り」ブームに乗ったプロモーションも数多くなされている。友人や仲間から注目される自撮りができるツールは、生活者にも人気だ。例えば米ケーブルテレビ局AMCは、日本でも人気のゾンビもののドラマ『ウォーキング・デッド』のプロモーションとして、アプリ「Dead Yourself」を配信。自分の写真を「ゾンビ化」できるアプリで、ダウンロード数は世界で数百万以上に上った。
JWTジャパンのグローバル・コーポレート・マーケティング・ディレクター、森田尚子氏は「こうしたトレンドを背景に考えると店頭POPというのは、まだまだ可能性があるのでは。また、最近はスタッフが個別にアカウントを持ち、顧客に対して新入荷商品に紹介コメントを添えて送るケースも少なくありません。広告表現が複雑化する一方で…