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O2O&オムニチャネル

商品に「いいね!」した人は本当に買うのか?無印良品「MUJI passport」

良品計画

良品計画は2013年5月、無印良品のスマートフォンアプリ「MUJI passport(ムジパスポート)」をリリース。14年1月末時点でダウンロード数は130万件を突破し、15年2月末までに250万件を目指している。同アプリの特徴は、購買だけでなく、来店やネット上の口コミなどにもインセンティブを付与することで、顧客のオンラインおよびオフラインにおける行動を連携して把握する点だ。このアプリを中心に、同社ではオムニチャネル化戦略を推し進めている。

「ムジパスポート」の画面。現在はシンプルさを追求したUIとなっているが、コンテンツのリッチ化とパーソナライズを目的にリニューアルを検討中だという。

購買以外の行動もマイルシステムで可視化

「MUJI passport」が支持される理由の一つが、「MUJIマイル」のシステムだ。購買に対してだけでなく、実店舗へのチェックインや、ソーシャルアカウントと連携した状態での「ほしい!」「持ってる」「口コミ」投稿に対してもマイルを付与する。マイル数に応じてユーザーの「ステージ」が上がり、その都度、買い物に使えるポイントがもらえる仕組みだ。これにより、ブランドへのロイヤリティの高い顧客を、購買以外の指標からも把握することができる。

同アプリの企画・運営を手掛けるWEB事業部長 奥谷孝司氏によると、リリースの狙いは三つあった。

まず、店舗や商品を限定せずに集客・販促をサポートすること。同社の従来のO2O施策は対象店舗や商品が限定される場合が多く、効果が全店舗に及んでいないことが課題だった。二つ目は、マーケティング施策の効果の可視化。顧客がどんな施策に反応するかを把握し、効果検証とノウハウの蓄積につなげる。

三つ目は、CRMの強化だ。「当社ではクレジットカードを中心としたロイヤリティプログラムを実施してきましたが、クレジットカード間の競争も激化する中、財布よりも身近な存在になりつつあるスマートフォンを起点にCRMに取り組もうと考えました。その上で重視したのが、顧客行動を『検討、購買、使用・消費』という一連の流れで把握すること。従来のクレジットカードによるポイントプログラムでは購買時点しか把握できませんが、ムジパスポートは来店や口コミにマイルを付与することで、検討段階や使用後の行動も把握できます。さらに、アプリはその人に対し、プッシュ通信でアプローチできる点が強みです」と同氏。

「いいね!」した人は本当に購入しているのか?

アプリの強みを生かした成功事例が、13年8月に実施したレトルトカレーの新商品「マッサマン」のクーポン配信だ。ムジパスポートのユーザーに、通常300円の同商品を100円で購入できるクーポンを配信したところ、全店合計1万個が1日でほぼ完売した。

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