企業によるキャラクター活用が増えている理由の一つは、企業が直接消費者に情報を伝える「BtoC」では伝わりにくいことも、間にキャラクターを介する「BtoC(=Character)toC」によって伝わりやすく、かつ受け入れられやすくなるからだ。とはいえ、必ずしも「人気のキャラクターを起用すれば売れる」わけではない。起用したキャラクターや実施した展開によっては、期待通りの成果を上げられない場合もある。キャラクタータイアップの成否には、複数の要因が関係している。
タイアップキャラクターを選ぶ際に重視すべきポイント
1. 周年や映画化など、キャラクターに対する「日常的な注目度」が高まっているか
2. 商品・サービスとキャラクターの世界観との間に親和性があるか
3. そのキャラクターを起用する「理由付け」や「意外性」があるか
話題化の“フック”が必要
人気が高く、ファン層も幅広い、そうしたキャラクターとのタイアップには大きな効果が期待できる。しかし、選定には注意が必要だ。その人気はあくまでもキャラクターに対する人気であり、起用した際の人気の獲得や話題の創出において、キャラクターと商品・サービスは決してイコールではない。商品・サービスのPR効果を狙う場合、キャラクター自体にフックとなる要素があるかどうかを見極める必要があるだろう。
ここでいう“フック”とは、「キャラクターに対する日常的な注目度」と言い換えられる。たとえ人気の高いキャラクターでも、タイアップ時期にあまり目立った展開がない場合、情報を発信してもファンに届かない可能性がある。ファンのアンテナが情報を受信できる方向に向いていないからだ。