2013年にヒットした商品の傾向の一つが「高機能・高付加価値」だ。こちらの記事でも触れている通り、「ノンフライヤー」をはじめとする“黒船家電”のほか、既存商品より多少価格が高くても、機能性や新規性が理解されれば売れている。ここでは、メーカーがそういった商品価値をどのように消費者に伝え、ヒットにつなげていったのかを探る。
右から「GreenFan2+」、「AirEngine」(空気清浄機)、「Smart Heater」(ヒーター)、「Rain」(加湿器)。SmartHeaterとRainにはWi-Fiを搭載し、12月にリリースされるスマートフォンアプリ「UniAuto」により、外出先からでも操作が可能となる。
生活の便利さ語らず
“技術者”としての姿勢を見せる
2003年創業のバルミューダが注目されるきっかけとなった商品が、10年に発売した扇風機「GreenFan」だ。特許技術により“自然の風”の再現を目指した商品で、初年度の販売台数は目標の6000台に対し1万2000台に上った。希望小売価格は3万3800円。5000円以下の商品がほとんどの扇風機市場では高価格と言えるが、翌11年に発売した後継機種も発売1週間ほどで品切れする販売店が続出するなど、同社を代表するヒット商品となった。
その後、12年には空気清浄機(発売当時4万6800円)を、今秋には加湿器(4万6800円)とヒーター(7万4800円)を投入。それぞれが高機能ゆえに高めの価格設定となっているが、直販サイトの予約台数はいずれも予定数を上回り好調に推移しているという。