2013年も例年同様、新しい商業施設や店舗のオープンが話題となった。その一つが、4月26日、大阪・梅田地区で開業した複合施設「グランフロント大阪」だ。JR大阪駅に隣接する「うめきた」エリアの先行開発プロジェクトとして、関西はもちろん全国から注目が集まり、開業から約5カ月で来場者数は2700万人を超えた。好調の理由は何なのか。
オープン初日には34万人が来場した。グランフロント大阪は12社による合同事業。今後はショップ&レストランとナレッジキャピタル、オフィスやホテルなど、各施設が“まち”としてより連携していくことで魅力を高め、集客力の向上を目指す。
体験を提供する266店で
“まち”全体の買い回りを促す
グランフロント大阪は、“知”をテーマにした中核施設「ナレッジキャピタル」と商業施設「ショップ&レストラン」、そのほかホテルやオフィスビルなどから成る、梅田エリアで最大級の複合施設として開業した。
阪急電鉄でショップ&レストラン部分の開発に携わり、開業後は出向先の阪急阪神ビルマネジメントで運営を担う山下正人氏は、グランフロント大阪の開発コンセプトについてこう話す。「梅田はもともと地下街が発達したエリアですが、地上は店舗やオフィスなど建物ごとに機能が分かれ、気持ちよく歩いて回遊できるような場所が少なかった。そのため、今回の新施設開発にあたっては『おさんぽショッピング』というコンセプトを掲げ、歩いて回遊できる“都会のオアシス”を目指しました」
そのため、ショップ&レストランに出店している266の店舗には効率だけを求めず、売り場の広さや内装にこだわった旗艦店の出店を要請。さらに、「関西初」「日本初」のブランドやショップをラインアップして独自性を打ち出した。また、ナレッジキャピタルに入っている店舗も、近畿大学水産研究所による養殖魚専門料理店や、ロート製薬による薬膳レストラン、植物工場を併設した「サブウェイ野菜ラボ」など、ほかにはない体験を提供するような店舗を取りそろえている。