
本体とカメラが分かれた二体型なので、手元で録画・停止などの操作および確認が可能。カメラ部分は頭部に装着するほか、手に持って狭い場所や低い アングルからの撮影もできる。
賛否両論あった「二体型」
使用シーン拡大のために選択
パナソニックは5月1日、同社初のウェアラブルカメラ「HX-A100」を発売した。ウェアラブルカメラとは、身に着けることで手を使わずに動画を撮影できるカメラのこと。アクションカム、スポーツカムなどとも呼ばれる通り、エクストリームスポーツ*の愛好者から市場が拡大し、先行する欧米に続いて日本メーカーの参入も進みつつあった。
*スカイダイビングやマウンテンバイクなど、ヘルメットを着用して行うような激しいスポーツのこと。
2012年にスポーツカムを発売したJVCケンウッドやソニーに対し、後発となったパナソニックは、市場参入にあたりターゲット設定に苦心したという。同社 AVCグループの杉島達也氏は、「競合と同じようなポジションの商品では、まだ大きくない市場の奪い合いになる。先行商品はエクストリームスポーツの愛好者をコアターゲットとしていたので、当社はより広い層に向けた商品を目指しました」と振り返る。
そこで当初は、テニスなどのライトなスポーツにおける使用を想定。ヘルメット無しでも身に着けられるようにイヤーフックを付け、本体とカメラを分けた二体型を採用した。しかし、この判断には社内でも賛否両論あったという。「『テニス中に撮影したい人が本当にいるのか』『いまどき有線でつなぐデザインは支持されないのでは』など、疑問の声も多かった。また、量販店へのヒアリングも厳しい意見が中心でした」。先行商品との差異化のため、二体型にすることに迷いはなかったものの、コミュニケーションターゲットの設定には最後まで悩んだという。