タイ100店舗感謝フェアの告知サイト
7月10日まで、「タイ100店舗感謝フェア」を実施。タイ旅行などが当たるオープン懸賞を実施していた。
1.はじめに
日本の外食産業における海外進出の成功例は極めて少ない。しかしながら、数少ない企業が精力的に海外チェーン展開している例はある。例えば、筆者が訪問した中では中国をメインとする「味千ラーメン」やブラジルにおける「ゼンショーブラジル(すき家チェーン)」がそれに当たる。しかしながら、前者が中国の強力パートナーに恵まれていること、後者はまだまだチェーン店舗数が少ないことを考えると、自ら海外に飛び込み、一から苦労してシステム構築を行った「8番らーめん(株式会社ハチバン)」が、その海外進出の価値創造において特筆すべき存在だ。ハチバン曰く、「地方の田舎の会社がタイ、それから中国、香港で今、ラーメン事業を展開している」ことを考えると、同社の海外進出がいかなる価値創造によって100店舗展開をなしえたのかを知ることは、日本の外食産業において非常に重要だろう。ここでは、このタイでの展開を可能にし得た価値創造部分に焦点を当てて検討していく。
2.8番らーめんの概要
図1「8番らーめん」創業時の写真
昭和42年(オープン当時)
昭和42年(1967年)2月11日加賀市国道8号線沿いの田んぼの真ん中に開店。炒めた野菜をたっぷりのせたラーメンが評判を呼び、開店当初から行列点となり、わずか25席の店で、1日1300杯のラーメンを売り切るほど。店の名前は、国道8号線にちなんでいる。
出典 http://www.hachiban.co.jp/noodle/what/what.html
1992年のタイから海外進出をスタートし、や100店舗を超えるチェーンである8番らーめんは、1967年に加賀市国道8号線沿いで創業した(図1)。全く麺が見えないくらい、たっぷり野菜がのったラーメンということで大評判になり、フランチャイズシステムを利用した展開でその規模が拡大した。
同社のウェブサイトによると現在、資本金は、15億1845万4000円であり、年商は64億7111万3000円(2013年3月期連結)、従業員数は134名、店舗数は国内154店(直営店33店、フランチャイズ店121店)、海外108店の合計262店である。中心を占めるラーメン事業本部だけをみると、国内で143店舗、海外でタイが100店舗、香港5店舗、中国3店舗であり、合計251店舗展開している。数値から分かる通り、海外進出の中ではタイが突出している。