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トップはアイデア販促マン

高松市で創業、手作りの"楽しい体験"の積み重ねが集客効果を高める

「手芸センタードリーム」

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入園、入学時期に合わせた、子どものためのバッグ作りを提案する売り場。

企業が売り上げを高め、顧客を拡大――その過程にはいつでも販売の現場を大切にする社長の知恵が生きている。本連載では、販売の現場から次々とユニークなプロモーションを生みだす成長企業の経営陣を紹介。その販促の考え方を取り組み方とともに紹介する。

小野兼資氏

「"ていねいな生活"をキャッチフレーズに、手作りの楽しさを伝えていきたい」と話す代表取締役社長 小野兼資氏

"手作りの夢、楽しさ、喜び"の普及が一番

手作り感のある商品への関心は高まる傾向にあり、ハンドメイド品に憧れを持つ消費者は確実に増えている。また手芸を好む手作り愛好者は増え続けているが、手芸関連の市場規模については横ばいか、微増で推移しており4000億円程度と推定されている。

そういう状況の中で、手芸に関連する老舗企業として着実に業績を伸ばし、地方都市である高松市が本拠地にもかかわらず、業界で注目され、存在感を発揮している企業が小野である。売り上げは55億円(2012年7月期)で前年比で微増、毎年増収を目指す攻めの経営を行っている。

同社の創業は1911年(明治44年)。初代が、のし贈答用品、扇子、真綿などの小売業の開業から始め、2代目が糸類や針、ボタンなどの問屋業(小野だるま堂の名で経営)を営んだ。そして3代目は県内の手芸専門店に商品を卸す問屋業を営むと同時に、スーパーやホームセンターの手芸用品コーナーに商品を卸すことにも業務を拡大、現在の小野兼資社長(51歳)は4代目である。

小野社長が入社した当時は、流通改革の大きな流れが起こり、"問屋不要論"が叫ばれ始めていたころだ。そこで、「このままの形で問屋だけで生き残るのは厳しい」と決断し、父親を説得した上で、県内の顧客の小売店への影響を配慮。1989年9月、岡山に大型手芸専門店「手芸センタードリーム」の1号店を開業した。

代々続いた家業(手芸関連の仕事)に伝わる家訓を経営の信条としている小野社長。それが「本社(本部)に座って指示するより、店に行け。現場を見て自分が動け。口だけで誰がついてくるか、人の2倍も3倍も働け」というもの。この商売人の基本を叩き込まれた。

手芸センタードリームは8年間の地道な仕事ぶりが奏功し、顧客から認知され評価されるようになった。ドリームの事業拡大の転機になったのは関西1号店(2003年)で、入社3年の女性店長を抜擢するなど、業績を伸ばした。08年には関東進出1号店を開店。以来、店舗の拡大が進み、現在、中四国を中心に73店(関東で26店)に広がっている。現在は1年後の80店展開を目指している。

同社は、郊外大型専門店「手芸センタードリーム」のチェーン展開の事業、官庁、企業向けのギフト事業、スーパーからホームセンター、専門店への繊維雑品の卸業の3本柱で事業展開している。顧客に「手作りの夢、楽しさ、喜び」を実感、再認識してもらうために多種多様の販促イベントを企画、実行している。

人気イベントになっている「Made inわたしのコンテスト」

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