THE ONE SHOW2016レポート
カンヌライオンズ、クリオ賞と並ぶ、世界三大広告賞の一つ、THE ONE SHOW。『ブレーン』は今年、THE ONE SHOWとメディアパートナーを提携したことを機にニューヨークで取材を敢行しました。同賞のクリエイティブボードメンバーであるPARTY 伊藤直樹さんとともに審査員、そしてボードメンバーを訪問。いま彼らがどんなことを考え、新たなるクリエイティビティを生み出しているのか。その組織のあり方とともに考えます。
THE ONE SHOW 2016 レポート
ニューヨーク・ブルックリンにあるBREAKFASTはほかにないユニークな存在の会社だ。Instagramの写真をポラロイドカメラからすぐに現像できるプロダクトをはじめ、自社でさまざまなプロダクトの開発に挑んでいる。
私は以前、デジタルエージェンシーに勤めていて、デジタルマーケターとしてのキャリアを順当に積んできました。しかし、8年ほど前にタッチスクリーンの領域だけで仕事をすることに疲れてしまい、“オンラインとリアル”を繋げる方法を模索しはじめました。ちょうどその頃、パン屋さんに依頼されたプロジェクトで、焼き菓子の焼き上がりをツイートで知らせる「ベイカーツイート」という装置をつくったんです。制作から1年後、爆発的な人気が出たことをきっかけに、私を含むパートナー3人でBREAKFASTを設立しました。
現在は常に「自分たちのスキルをマーケティングや広告の世界にいかに順応させればよいか」ということを模索しています。収益のメインはハードウェアですが、さまざまなものをつくっています。プロトタイプをつくることが自社の強いPRとなり、エージェンシーなどから注目を集められていると思っています。ただ、「ハードウェアだけをつくる会社」とは思われたくないんです。
ここには社員が4人しかいません。私がクリエイティブやデザイン、デジタルを担当し、パートナーのマティアスはエンジニアなのでテクノロジーや電子工学などを担当しています。あとはシニアソフトウェアエンジニアと会計が各1名。増員もできましたが …