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企業を進化させる IoTのクリエイティブ

3年目のSXSW 出展を続けて見えてきたこと

望月重太朗(博報堂アイ・スタジオ)

世界各国からスタートアップなど最先端のIoTプロダクトが集結するSXSWトレードショー。今年出展3年目を迎える博報堂アイ・スタジオ HACKist チームに、トレードショーに出展することの意義と成果について聞いた。

今年の出展プロトタイプから。テーブルに置いたものを自動識別し、セリフを付与し、喋らせる「HELLO WORLD!」。

アメリカまでIoTを展示しにいく3つの理由

3年間で計18個。これは僕ら「HACKist」がSXSWのトレードショーで3年間、展示してきたプロトタイプの数です。

HACKistとは、博報堂アイ・スタジオのいわば部活的なクリエイティブラボです。生活の中に潜む課題や「こんなものがあったらいいな」という何かをプロトタイピングで具現化しよう、というスタンスで日々の活動を行っています。今回は、SXSWに3年間にわたり展示してきた目的や、そこから見えてきた未来をレポートします。

まず、SXSWトレードショーとは、スタートアップやメディア、投資家、大学関係者、メーカー、エージェンシーを始め、ファッション関係、スポーツ選手、ミュージシャン…など、あらゆるジャンルの人たちが集結し、年齢も性別も国籍も立場も関係のない「ごった煮」がドロドロに溶け合い、さまざまななビジネスが生み出される場です。HACKistもその「ごった煮」に飛び込もうと、今年も異種混合なプロトタイプを持ってオースティンに渡りました。

雪かきの労働量を見える化する「Dig-Log」に、犬の感情を見える化する「INUPATHY」、一番人気だったのはテーブルに置いたものを自動識別し喋らせる「HELLO WORLD!」。赤いパプリカを置いたら「俺はパプ太郎。見た目どおり真っ赤な情熱にあふれてるぜー!俺のこと…食べてみたくなっただろ?」といったように喋ります。モノを置くだけでその特徴を拾い上げ、さまざまなコミュニケーションを図るものです。昨年披露した「トーカブル・ベジタブル」の技術的課題を解消する意味合いも含め、マシンラーニングや画像認識といった技術を新しく応用し、別プロトタイプとして生み出したものです。

なぜ、毎年IoTプロトタイプを作り、アメリカまでわざわざ運んで、展示するのか。そこには ...

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