生活者アンケートから探る 動画は本当に見られている?
企業、自治体での動画配信は増えている。しかし、テレビCMと違い、能動的に見にいかなくてはいけない動画。生活者はどのように見ているのだろうか。生活者約1000人に行った動画についてのアンケートを見てみる。
話題になる・拡散される動画は何が違うのか?
2020年に向けた観光誘致のプロモーションが増える中、東京をPRするユニークな映像が公開された。ここで映し出されるのは東京のジオラマ。そして、そのジオラマはすべて無印良品の商品で制作されている。
赤、青のライトに照らされて浮かびあがるのは、東京の街のジオラマ。よく見ると、東京タワー、東京都庁、渋谷のスクランブル交差点、浅草やお台場など、海外の旅行者にも人気の東京の名所が、半透明のボックスなどさまざまな素材を使って組み立てられている。実はこのジオラマ、すべて無印良品の商品を使用している。その数、約1万点。ポリプロピレンのケース、化粧品、ボールペン、靴下など、日ごろ私たちが生活の中でごく当たり前に使っているものが、東京の街をつくりあげているのだ。
今年3月、無印良品を展開する良品計画は、東京都および東京観光財団と連携し、「MUJI 10,000 shapes of TOKYO」を開始した。これは東京ブランドを推進する「&TOKYO」のプロジェクトの一つ。良品計画が運営する台北とニューヨークの旗艦店舗内に、東京の町並みを再現するジオラマをインスタレーションとして展示することで、東京の魅力を海外に発信していこうという試みだ。台北、ニューヨークの無印良品旗艦店舗での展示開始に先駆け、プロモーションとして公開されたのが、「MUJI10,000 shapes of TOKYO」の映像だ。公式サイトでは映像と共に、実際に使われたそれぞれのパーツが掲載されている。
「当初、ジオラマや映像という具体的な案はなく、店舗、そして無印良品の商品を使うことを前提として考え始めました」と話すのは、企画を手がけたdot by dot inc.藤原愼哉さん、谷口恭介さん。今回、全体の企画・プロデュースをdot by dot inc.が、展示インスタレーションの制作をさまざまなハードウエアを制作してきたTASKOが手がけている。
企画を開始した昨年夏、展示を予定していた店舗の展示スペースの図面から、商品を使ったディスプレイ壁をつくることを検討していた。その後、店舗が変更となり、昨年12月にスタッフ全員で台北とニューヨークの展示場所を視察。そこでやっと「東京のジオラマを、商品を絡めてつくる」という方向性が固まった。「その段階では、具体的な設計図は見えていませんでした」(藤原さん)。
その後、TASKO 木村匡孝さん、北澤岳雄さんがジオラマをつくるためにひとつ一つ商品を見ながらスケッチを繰り返し、検討した結果、「商品だけで組み立てる」という結論に至った。使用する商品ひとつ一つはきちんとデザインされ、機能を持つプロダクトだが …