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デザインプロジェクトの現在

新潟伊勢丹が取り組む県産品のブランド化

「NIIGATA 越品」プロジェクト

伝統工芸をはじめ、地方の良さを伝えるプロジェクトが全国に広がっている。この春、新潟伊勢丹が、県産品の良さを発信するキャンペーン「NIIGATA越品」を始めた。地元百貨店主導の試みを取材した。

3月9日に新潟伊勢丹三越でスタートした「NIIGATA 越品」。年に4回開催される。

全館にわたって継続的に行うプロジェクトに

新潟と言うと、真っ先に思い浮かぶのは、お米、酒、雪――逆に言えば、それ以外のイメージは今ひとつ乏しい。しかし実際は、他の都道府県同様、新潟ならではの良いものはたくさんある。それが知られていない、伝わっていないために、埋もれてしまっている。新潟伊勢丹はそこに目を付け、県内はもちろん、全国に紹介していく「NIIGATA越品」プロジェクトを立ち上げた。具体的には、年4回、新潟の産品を紹介していくキャンペーンを、新潟伊勢丹全館を使って行っていく。地元のモノやコトを、百貨店が主体となって継続的に紹介・発信していく事例は、全国を見渡しても稀なケースだ。

本プロジェクトは、新潟三越伊勢丹社長兼三越伊勢丹ホールディング執行役員である浅田龍一さんの問題意識からスタートした。「東京から着任して驚いたのは、新潟には魅力的なものがたくさんあるのに、驚くほど知られていないこと。『発信力』と『全国ネットワーク』という、うちの強みを活かして伝えていきたい」(浅田さん)。東京を拠点とする百貨店が、地方で地方を元気にすることに本気で取りかかる意気込みが、肌身を通して伝わってきた。

それも、表層的で一過性のイベントではなく、全館にわたって継続的に行っていくという。食品、婦人服、紳士服、生活雑貨など、組織を越えたプロジェクトチームが新たに組まれ、コンセプトから、商品選定、売り場作りまで、議論を交わしながら進めていった。分野ごとで縦割りになっている組織を、あえて横串しにして ...

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