映画『ほとりの朔子』と『マンガ肉と僕』の作曲、映画『シェル・コレクター』の音響を担当したサウンドアーティストのジョさん。ニューヨークを拠点に作曲や音響作品を手がけている。
次世代を担うサウンドアーティスト
東京大学在学中に渡米して約10年。映画、メディアアート、ゲームと多彩な分野のサウンドを制作するジョさん。特に映画音楽でその才能を開花し、2月に劇場公開した映画『マンガ肉と僕』のサウンドトラックは、英紙「The Telegraph」で“ 鋭く尖った映画音楽”と評された。
映画の音楽制作は、脚本や映像が編集し終わった段階から始まることが多い。作品が持つ世界観を音で後から構成していくわけだが、作曲家が企画の初期段階からアイデアを出すことで、音で表現できる領域が広がり、作品がより豊かな表情を見せるのではないかとジョさんは指摘する。「流れ作業のような制作環境では、音の発想が後から映像に足されたという色合いが強く出てしまい、もったいなくも感じます。聴覚に響くイメージも …