オンスクリーン時代のアートディレクターには「デジタル上のデザインルールやマナーを知っていてほしい」とTHE GUILD代表の深津貴之さんは言う。テクノロジーを駆使してものづくりをするクリエイターが“一緒に仕事をしたいアートディレクター像”を語る。
THE GUILD 深津貴之(ふかつ・たかゆき)
大学で都市情報デザインを学んだ後、英国にて2年間プロダクトデザインを学ぶ。2005年に帰国しthaに入社。2013年THE GUILDを設立。ブログ「fladdict.net」を運営しながら、iPhoneアプリやインタラクティブデザインのUIデザインや監修を行う。日本経済新聞電子版アプリの設計監修や、ハンドメイドマーケットサービス「minne」などのUI/UX顧問も務める。
デザインを取り巻くゲームのルールが変わった
「テクノロジーとデザインの融合をどうするか」は現代のアートディレクターが抱える課題だと思います。その前提には、さまざまなメディアの発達がある。クリエイティブ全体の中で、グラフィックの占める割合は相対的に小さくなっているのです。
インターネットの世界では、素人がInstagramに何気なく上げたものが、クリエイティブのプロに勝つということが普通に起こります。だから今は“クリエイティブのプロ VS 10億人の素人”のようなサバイバル戦になっていますよね。
とにかく世にあふれるコンテンツの量が膨大なので、各企業は一つひとつのクリエイティブの精度を高めることよりも、いかにシェアされるかを狙った“ソーシャル拡散”型のコンテンツを志向するようになっています。たくさんのシェアを得るためにはFacebookやInstagramのようなプラットフォームを利用しなければなりません。必然的に …