2015年4月、静岡県菊川市にお茶専門のカフェ「san grams(サングラム)」がオープン。同時に新しいお茶ブランドも立ち上がった。そのパッケージはシンプルでありながらさまざまな用途に活用できるよう徹底して考えぬかれたものである。
従来の売り方を変える
100年続く静岡県の老舗製茶メーカー丸松製茶場がオープンしたお茶専門カフェ、そして新しく立ち上げたブランド「san grams(サングラム)」。ここはドラフトがブランディングを担当し、同アートディレクター川上恵莉子さんが立ち上げから参加している。「いまから2年ほど前、代表の宮田識に相談したいことがあるとクライアントから直接会社に連絡がありました」と川上さん。ペットボトルでお茶を飲む習慣が定着し、急須で淹れる茶葉の売上げが落ちている。その状況をどうにか食い止め、お茶業界を盛り上げていきたい――。それが丸松製茶場からの相談だった。
同社の抱える課題や現状を把握し、情報を整理するために、丸松製茶場や周辺のお店、市場などを取材。それによってわかったことの一つは、日本で販売されているお茶のほとんどが、いくつかの茶葉をブレンドしているということ。丸松製茶場も農家から荒茶という状態の茶葉を買い付け …
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