編み物をコミュニケーションメディアとして操る力石咲さん。世界をゆるやかに繋いでゆくことをテーマに、街や空間を編み包むインスタレーションを制作している。
01 ニット・インベーダー「ICC キッズ・プログラム2014 ひらめきとはてなの工場」 2014 撮影:刀塚浩介
02 ニット・インベーダー「COSMIC GIRLS展」2014 丸の内ハウス 撮影:杉山豪州
03 旅するニットマシン・プロジェクト2014(UK)
編み物を手段とした創作活動
テーブルや椅子、公衆電話、人…風景の一部を毛糸で包む力石さんの作品は、日常の見慣れた景色をやさしく変え、現実と空想の入り交じった世界をつくる。
編み物との出会いは美大3年生の頃。編み物の「温かい」「つながる」というイメージは、コミュニケーションにおいても大切なコンテンツを含む。そこに着目し、編み物を手段とした創作活動をはじめ世界中を旅している。
「訪れた土地に痕跡を残したいと思いました。毛糸と針さえあれば場所を選ばず、すきま時間に作業ができますし、柔軟で伸縮性ある編地は、対象物の形を壊すことなくフィットしながら包みます」。
2009年の「トラベリング・プロジェクト」から、これらの性質を利用して身の回りの世界と交信している。訪れた土地や街中にあるもの …