むか~しむかし。アニメ日本昔話の『桃太郎』がはじまったと思いきや、川でお婆さんが桃を取り上げる寸前で、突然「おしまい」。強いインパクトと個性を残すこの映像は愛媛・松山にある村田葬儀社のCM。企画制作は電通西日本松山支社。創業101年の老舗葬儀社という立場に安住しない、新たな企業イメージ、新たな顔作りが目的だった。「人生の集大成を精一杯お手伝いさせていただきます…的な紋切り型のメッセージは絶対やめようと思いました。わかったような、当たり前のことを言っても目立たないし、そもそもCMを打つ意味がありません。お葬式、つまり、死は、生きている私たちにとって考えたくないこと。でも、死は誰の人生にも必ずやってきます。しかも、突然に。家族や大切な人に迷惑をかけないためにも“その日”に備えなければいけない…。頭ではそうわかっていても、意識的に非日常の彼方へ追いやっています。必要なんだけど考えたくない。その矛盾をなんとか自分ゴト化してもらえるCMにできないか?そう考えたのが企画の出発点でした。あれこれ考えていく中で …