一台のバスに乗り合わせた2人の女性。その時から、2人の人生における長い闘いがはじまった。そして数年後…。再び同じバスに乗り合わせた2人の女性。そこにはあの日とは違う姿があった。
女性たちが流す「覚悟の涙」
「オリエンを聞いて最初に考えたことは、女性の覚悟をテーマにする、ということでした」と、読売広告社 クリエイティブディレクター 竹中愛さん。「乳がんは他の病気とは違う。女性が心と体のキズと生きることに向き合うべき」と考え、プランナー和田香さん、パラゴン プロデューサー 上出真史さん、そしてディレクター 松永高寛さんと共につくりあげたのが、今回の「私の覚悟」篇だ。
「仕事に一生懸命な人、子どもや家族のため日々の暮らしに奮闘している人ほど、わかっていながらも、検診に行き損ねてしまう。そういう人が病気になり、悔しい想いをするのは悲しいことだと思います。そして、乳がん検診を始めてほしい40才という年齢は、女性の人生において大切な時でもあります。もし自分が病気になったら、どう向き合っていけばいいのか。2人の女性の覚悟を描くことで、検診を受けることへの気づきを促したいと考えました」(竹中さん)。
女性の覚悟をテーマに、松永監督は「涙」で心の変化を感じさせるストーリーを書いた。乳がんは女性がとても多くの涙を流す病気。悲しみやつらさの涙から、病気に挑む覚悟の涙へ、2人の女性の繊細な気持ちを丁寧に映像に落とし込んでいる。撮影監督でもあるゆえ、2台のカメラや数カ所のロケ地、すべてがリアリティある映像に生きている。2人の主演女優とはシーンごとの気持ちを始終確認し合い、2人が本当にそこに存在しているかのような日常のディテールを映像化した。「松永監督が思い描いていたイメージが、2人の女優さんをはじめ、現場に集まったプロの仕事をするスタッフの力によって具現化され、字コンテから自分が想像していた以上のシーンの連続でした」(上出さん)。
最後に入るコピーは、「それでも、前を向くのが女だから。」。「覚悟を決めた女性の強さを讃え、応援するとともに、だからこそ、乳がんと闘わなければいけない女性を一人でも減らしたいという想いを込めました」(竹中さん)。「乳がん検診を受けていない女性だけでなく、これからを生きるすべての女性に伝わればと思います」(和田さん)。映像から、じわじわとその想いがにじみ出てくる。
STORY
同じバスに乗り合わせた二人の女性。一人は涙を流し、一人は茫然としている。乳がんの宣告を受けた日だった。恭子はたくさんの涙を流した後、娘を守るために病気と闘った。麻紀は夫と悔しさを分かち合いながら、ひたすらに病気と闘った。それぞれの女性の覚悟と数年後の話。
「私の覚悟」篇
S:乳がん。
娘:「痛いの?」
恭子:「ううん、大丈夫だよ」「ママね、命と交換したの」「ママね、とっても大切なものを無くしたの」「でもね、そのおかげでとっても大切なあなたとの時間を過ごせるの」
麻紀:「子供、もう無理かも」
夫:「そう言われたの?」
麻紀:「んー、年齢のこともあるしね」「治療しても時間かかるしね」「ごめんね」
S:それでも、前を向くのが女だから。
S:数年後
S:乳がん検診を受けてください。
竹中 愛(左)
1975年生まれ。クリエイティブディレクター/コピーライター。主な仕事に森永製菓、アサヒビール、日本健康管理協会等。優しさや温かさまで届くコミュニケーションを大切にしています。
和田 香(中)
1983年生まれ。コピーライター/プランナー。主な仕事にアサヒビール、明治、朝日生命等。「出会えてよかったと思える広告」を目指しています。
上出真史(右)
1977年生まれ。2002年パラゴン入社。プロダクションマネージャーを経て2011年からプロデューサーに。「心に突き刺さるものをつくる!」を心がけています。
- 企画制作:読売広告社+パラゴン
- 企画+C:竹中愛、和田香
- 企画+演出+撮影:松永高寛
- PR:上出真史
- PM:白駒龍二、津田陽
- 撮影部:古賀康隆、浅妻容子、田中肇
- 照明:高田一郎
- 美術:岡本千絵、澤田望
- 録音:久道崇
- ST:谷本キヨミ
- HM:奥田新菜
- CAS:山田かおり、関華恵
- カラリスト:森誠二郎
- 編集:岡田久美、堤祐輔
- MA:丸橋亮介
- 出演:片岡礼子、中村優子、嶋田乃麻、鴨田沙奈、鷲澤輪久
- 音楽:かとうかなこ
- 協力:CRANK、ナックイメージテクノロジー、三和プロライト、ジャパンシネモービル、フィールドサービス、イマジカ、リクリ
- 主催:ピンクリボンフェスティバル運営委員会(日本対がん協会ほか)
- 協賛:富国生命保険相互会社
(左から)女優 片岡礼子、女優 中村優子、アコーディオン奏者 かとうかなこ
スマートフォンで上の画像が動きだす!
無料アプリ「aug! オーグ」をスマートフォンにダウンロードして、右のキービジュアルにかざすと、今回制作されたCMが再生されます。(iOS6以上を搭載した、iPhone、iPad。およびAndroid4.0以上を搭載したAndroidに対応)。
こちらの映像は、
日本対がん協会ピンクリボンフェスティバルのWebサイト
(www.pinkribbonfestival.jp/event/movie_supply)
ブレーンのデジタル版(https://mag.sendenkaigi.com/brain)からも視聴いただけます。