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世界の広告 2015 カンヌライオンズ

R/GAが 鮮やかに指し示した 次世代 エージェンシー像

R/GA

今年カンヌライオンズで最も話題になったセミナー、それがニューヨークに本社を置くインタラクティブエージェンシーR/GAの「START-UP: How Agencies Can Build Companies for The Connected Age」だ。スタートアップを支援する同社独自のアクセラレータープログラムについて、CEOのボブ・グリーンバーグと4人のメンバーが語った。

Speakers:
Barry Wacksman-Chief Growth Officer R/GA
Nick Coronges-Chief Technology Officer R/GA
Richard Ting-EVP, Global Chief Experience Officer R/GA
Stephen Plumlee-Global COO, Managing Director R/GA
Ventures R/GA

ボブ・グリーンバーグ
R/GA 創設者/Chairman/CEO。1977年、兄弟でモーショングラフィック会社R/Greenberg Associates(R/GA)設立。4000以上のCMやフィルムを手がける。1995年、インターネットの台頭と共にプロダクション事業を切り離し、2004年インタラクティブエージェンシーに完全移行。2010年代よりプロダクト・サービス開発も含めて行うデジタルスタジオに。2013年Nike+FuelBandを開発・発表。2015年カンヌライオンズでSt.Mark賞(最も広告界に大きな影響を与えた人物)に選出される。

“The Connected Age”を
エージェンシーが生き抜くには
by Bob Greenberg

今日のオーディエンスの中にも世界的に有名なブランドの面々がいるが、幸運なことにそのいくつかは私たちのクライアントだ。私たちは今まで彼らと共に会社を作ってきた。しかしここ2年は異なるスタートアップ企業と手を組んでいる。それらの会社はごく少人数で、大きな課題を抱え、非常に小さな予算で動いている。そして皆、明日のリーダーになることを望んでいる。

ロサンゼルスでクライアントと会う時、私はいつも彼らと食事に出かけ、彼らの話に耳を傾けるようにした。なぜならたくさんのアイデアを聞くことができたからだ。まるでロサンゼルスにいるすべての人が、次に来る大ブームを常に探しているように思えた。15年前、周りの人々はこれから作る映画の脚本について話していた。2008年には新しいアプリのアイデアを議論し、去年はスタートアップについて話していた。すべての人が自分こそ次の大ブームをつくり得ると信じているのだ。

しかし現実はまったく異なる。スタートアップの世界は厳しい。ほとんどすべての新規事業は失敗する。スタートアップとなればなおさらだ。なぜならアイデアがあるだけでは足りないからだ。この逆境に打ち勝とうとするなら、アイデア以外のものを持たなくてはならない。ヴィジョンだ。

常に先を行き、競争の中に身を置くというのがR/GAのヴィジョンだ。それはいまでは「R/GA, the company for the connected age」というタグラインに集約されている。

産業間の境目があいまいになり、サービスと商品の境界も消えつつある今日は、イノベーションの絶好の機会で、だからスタートアップが活発になっている。しかし一方で、私たち広告産業はしばらく次の大きなアイデアを見つけられずにいた。

スタートアップ企業はテレビCMで派手にデビューする必要はない。重要でないわけではないが、それだけでは不十分だ。そこで私たちは、スタートアップに対して商品やサービスのイノベーションに加え、社会的に意味のあるコミュニケーションを形作るよう提案することにした。私たちはもはやただのエージェンシーではなく、エージェンシーとコンサルタントとイノベーションのハイブリッド企業と言える。

今日は私たちがなぜこのスタートアップアクセラレーターを始めたか、どう実現し、何を行っているのか、そしてこれらが及ぼしたインパクトについて説明したいと思う …

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