6月11日、東京・原宿に「PEPSI STRONG BAR」がオープンした。これはペプシの新ブランド「ペプシストロング ゼロ」の発売に合わせ、サントリーがオープンした期間限定のポップアップショップ。強炭酸、強カフェインで、“ペプシ最強の刺激”をうたう「ペプシストロング ゼロ」の発売プロモーションである。
刺激を楽しむための装置をつくる
「PEPSI STRONG BAR」に設置されたのは「“ペプシ最強の刺激”を最大限楽しむための」体験装置である「PEPSI STRONG BALL」だ。昨年、話題を集めたペプシのテレビCM「桃太郎」の世界観を再現した体感型ゲーム。プレイヤーは黒を基調にした球体の中に入り、VRヘッドマウントディスプレイ「オキュラスリフト」、ヘッドフォンを装着してゲームを楽しむ。ゲームの舞台は、廃墟と化した街。巨大な鬼が次々と現れ、360°あらゆる方向からプレイヤーに襲いかかる。プレイヤーは鬼をかわして、ゴールに向けて走り抜けていく。足元にはフットパネルが設置されており、その上で実際に走ったりジャンプすることで、ゲームの中でも連動して同じ動作ができる。ゲーム終了後、プレイヤーには冷えた「ペプシストロング ゼロ」が渡され、走り終わったばかりの乾いた喉で“ペプシ最強の刺激”を最大限楽しめる仕掛けだ。
この企画が始まったのは、1年前。比較広告、桃太郎のCMが話題になる中で、あらためて「飲む」という体験ができるキャンペーンを実施したいというサントリーの意向があった。「拠点をつくることは決まっていたのですが、当初はデジタル施策ではない体験を検討していました」と、読売広告社 クリエイティブディレクター 皆川壮一郎さん。「クライアントが望んでいたのは、これまでにない、新しい飲用体験。いろいろな方向から企画を検討する中で、スタッフの一人が持ってきたのがオキュラスリフトでした」。企画当時、オキュラスリフトを使った広告事例は少なく、皆川さんもそのとき初めて体験した。「予想以上の迫力に驚きました。海外のペプシのキャンペーンではデジタルを活用しており、ブランドとの親和性が高いと感じ、オキュラスリフトを使ってみることにしました」。
商品の特徴は「強刺激」。オキュラスリフトを使う上では、それを一番刺激的に感じる瞬間を体験できるコンテンツが必要だった。案を検討する中で、話題になったCM「桃太郎」にからめたコンテンツに的をしぼった。「当初は桃太郎が鬼を次々と切り倒していくストーリーを考えていたのですが、CMにはその展開はない。そこでCMに象徴的に登場する鬼を絡めたストーリーであれば、オキュラスリフトならではの体験がつくれるのではないか」(皆川さん)。そこから生まれたのが、「PEPSI ONIGOKKO」の企画だ。ただ逃げるだけの鬼ごっこではなく、鬼からの攻撃を潜り抜けながらゴールに置かれたペプシストロングゼロを取りにいくという体験は、まさにペプシのブランドメッセージ「FOREVER CHALLENGE」に通じると考えた。
当初は「飲む体験」と「刺激体験」を別のものとして考えていた。一緒に企画を進めていた …