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未知の仕事に挑む 最強クリエイティブチーム

混沌から見出した VAIOブランドの新たなるDNA

VAIO

PCブランド「VAIO」が昨年夏、新たな事業体となり、スタートを切った。その立ち上がりに向けて、フロンテッジの制作スタッフは、VAIOのブランドコミュニケーションを考え始めた。

左上からVAIO 商品プロデューサー 商品企画担当ダイレクター 伊藤好文さん、
同マーケティングマネージャー 椎木由美さん、フロンテッジ クリエイティブィレター 上島史朗さん、
アートディレクター 大川洋平さん、コピーライター 淺井勇樹さん、コピーライター 山際良子さん、
コミュニケーションプランニンググループ ディレクター 小里玄さん、
コミュニケーションプランニンググループ プランナー 野田昌嗣さん、
プロジェクトマネージャー 田重田有作さん

カオスの状態からスタート

VAIO株式会社(以下VAIO)はソニーから日本産業パートナーズへPC事業部が譲渡されることに伴い、2014年7月1日に設立された。日本人なら誰もが知っているブランドであるVAIOがソニーから切り離される――この事実に、世間はネガティブな反応を示した。

最初にこのニュースが流れたのは昨年2月のこと。ソニー時代からVAIOブランドに携わってきたVAIOマーケティングマネージャー椎木由美さんは「新会社設立が決まった時点では新会社のオフィスも何もかもが未定。ものすごい短期間にたくさんのことを決定しなければいけないという、まさにカオスの状態でした」と語る。

VAIOのブランディングを共に手がけてきたフロンテッジに声がかかったのもこのころ。「最初に聞いたのは“新会社をつくる”“設立日は7月1日”ということだけ。そもそも広告はするのか、まだ何も決まっていなかったのですが、一緒に走り出そうと心を決めました」とクリエイティブディレクター 上島史朗さんは当時を振り返る。その日から毎週のように打ち合わせを重ね、「これからVAIOはどうあるべきか」という議論をはじめた。

VAIOというブランドは、世の中で既に確立している。だが今回、フロンテッジのスタッフは「VAIOの社員が腹落ちして納得のいくものをつくる」ことに徹底してこだわり、これからのVAIOを模索。スタッフや現場の取材を敢行した。特に重点を置いたのはVAIOを製造している現場である長野県安曇野市の工場だ。ここは現在、VAIOの本社にもなっている場所である。「生産拠点の安曇野にVAIOの全てが詰まっていると考えました。何度も通い、テレビ会議も行い、現場の人たちに『VAIOが目指すところはどこか?』『VAIOの本質とは何か?』と質問を投げかけました。マーケティング担当者だけでなく、VAIOを実際につくっている人たちの思いを直接聞けたことはとても大きかった」(アートディレクター 大川洋平さん)。

VAIOへの熱い思いを抽出

VAIOの社員は、本気でVAIOを愛し、VAIOに誇りを抱いた集団だ …

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