IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

名作コピーの時間

尾崎敬久さんが「永遠のお手本」にするコピー

尾崎敬久(電通中部支社)

    わたしは、コレで、
    会社をやめました。

    アルマン/1984年
    ○C/川出幸彦、高橋達郎、上野正人

    サントリー
    CANビール

    サントリー/1983年
    ○ネーミング/不明

    スコーンスコーン
    コイケヤスコーン

    湖池屋/1989年
    ○C/佐藤雅彦

「これはオモシロイわー。何回見てもオモシロイわー」と母が言うんです。禁煙パイポのCMを見て。昭和59年。母、44歳。私、14歳。どちらかと言うと真面目で、バラエティ番組のアツアツのおでんをむりやり食べさせる的なお笑いを毛嫌いしていた母が、このCMに関しては、本当に楽しそうに笑うんです。出演者は3人の男性サラリーマン。「わたくしは、この禁煙パイポで(パイポを見せる)、タバコをやめました」「わたしも、このパイポで(パイポを見せる)、タバコをやめました」「わたしは、コレで(小指を立てる)、会社をやめました」の後に、「やめたい人の禁煙パイポ〜♪」という非常にシンプルな企画。ぜんぜん爽やかじゃないし、ブラックユーモアなのに、それなのに笑顔の母。何がそんなに面白かったのか、いま考えてもそのツボはわからないままですが、私はコレで(小指を立てる)会社を辞めることがないよう注意を払いながら、日々、表現の仕事に取り組んでいる次第です。

サントリーCANビール。アニメのペンギンたち、松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」、所ジョージさんのナレーション。当時、大げさではなく本当に一世を風靡したCMだったと思います。ビールの広告に…

あと51%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

名作コピーの時間の記事一覧

名作コピーの時間の記事一覧をみる

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
ブレーンTopへ戻る